
授業数を増やしたのに英語力が下がった理由
2026年6月6日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「アブダクション英語学習法 #366」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「中学生の英語力が落ちた理由」です。
本書では、本題(アブダクション英語学習法)に入る前に日本の中学校英語学習の現状についての概要説明がありましたのでそちらを確認します。
【2023年「全国学力テスト」の英語の調査結果】
調査対象になったのは全国の公立・国立・私立の9702校から92万人以上の中学三年生。

これはあまりに衝撃的な結果です。
というのも、2011年に小学校5・6年生に対して英語の必修化(ただし教科ではなく「外国語活動」という位置づけ)がなされ、週1コマ(年35コマ)を簡単な英会話を中心とした緩やかな内容でスタートし、2020年には3・4年生に「外国語活動」が下ろされ週1コマ、5・6年生に対して英語が通知表の成績となる「教科化」がなされ週2コマ英語の授業を受けることになった後のその結果だからです。
時間とお金をかけ、そして現場を混乱させたうえで結果がマイナスというどう考えても「責任者出てこい!」レベルのショッキングさです(代表ブログではこの「小学校英語導入反対」の立場から、当時からずっとこの結果を予想しつつ事態の推移を批判的にリポートするブログ記事を書いてきましたがその予想をはるかに超える凄惨さです)。
本書では、なぜここまでの衝撃的な結果が生じてしまったのか、現場で何が起こっていたのかを踏まえその原因について述べられていましたが、それがかなり説得的で合理的な説明でしたので以下該当部分を要約引用いたします。
「小学校から英語を必修にしたことで現場の先生たちには大変な負荷がかかっています。小学校の先生たちも大変ですが、中学校の英語の先生たちも悲鳴を上げています。例えば、『小学校700語問題』。これは小学校で習った英単語の約700語が、中学校1年生の教科書で『既習』として扱われる問題です。小学校の英語の授業はもともと『音声によるコミュニケーション』を重視して始まったこともあり、英単語の『暗記』にはそれほど力を入れてきませんでした。そのため、子供たちはその700語を『習った』と言っても、その知識が定着しないまま、中学校に進学します。それなのに、子供たちが英単語700語を『習得している』という前提で、中学校のカリキュラムが作られ、授業をすることになっているのです。」
本当に「ふざけている」としか言えない所業です。
小学校英語が導入される前の教育を受けた私たち世代は中学校で初めて「英語」に触れることを前提としていたから、教科書には「This」「boy」「play」などの超基礎単語も「初見単語」として扱われていました。
それでも我々世代が十分余裕をもって英語に取り組めたかと言われれば、そんなことはなかったでしょう(当時から日本人は英語ができないと言われていたわけですから)。
それが、実態は700語なんてとんでもなく、ほとんどが英語を教科として意識せず(できず)に中学に進学した子供たちが、中級レベルの単語からいきなりスタートさせられる。
これは悪夢としか言いようのない絶望的な教育改革と言わざるを得ず、その結果が当然のことながら、

このような結果につながり、毎年実に8割の中学生が「英語が好きではない」状態で卒業させられているということになります。
これは明らかに我々世代が中学生だった時の実感と比べようもなく悪いはずです。
このことの罪深さは、先日書籍紹介ブログにて取り上げたキムタツ先生の「子どもの英語嫌いをなくしたい#360」の中で強く訴えたばかりでした。
このままで済まされて言い訳は絶対にありません。









