日本人と英語

英語耳はパロット効果の成果物

2026年8月13日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログでご紹介した「15時間で速習 英語耳 #370」を使って実際にトレーニングを実体験することによって、最終的に「英語耳」の獲得とはどういうことなのかをかなり具体的に理解することができました。

今回はその内容について書いていこうと思います。

著者ももともとは「リスニング」は様々な話し手が様々な分野の話題について話すのをたくさん聞くことでようやく習得できるものだと思っていたようです。

つまりは、リスニングにはそうそう「必殺技」もしくは「特効薬」的な方法論はなく、できるだけ英語に触れる時間を確保するという途方もなく長い旅を続けていく必要があるものだと(そして、これは私自身を含む多くの日本人英語学習者の共通したイメージでしょう)。

しかし、著者にはその考えを改める決定的瞬間があったと言います。

それは、鳥のオウムをしゃべらせる調教師が「オウムに一言目を教えるには、同じ音を二千回繰り返す」と言っていたのをテレビで見た時だそうです。

例えばオウムが「おはよう」と言えるようになるには「おはよう」を二千回も繰り返し聞かせる必要があるというわけで、これはすごく根気のいる作業です。

ただし、その次の二言目の言葉を覚える、例えば「おはよう」を覚えた後、「こんばんは」を覚えるためには二千回も必要ではなく二百回で覚えられるとのことだったそうです。

これは「Parrot’s Law(オウムの法則)」と呼ばれています。

当時の著者は、その話に勇気づけられてFMラジオから録音した20分程度の英語ナレーションを毎日ただただ聞き続けたそうです。

すると、最初は半分も英単語を聞き取れなかったものが回数を重ねるうちに次第にいくつか分かるようになり、百回目にはほぼ全部が聞き取れるようになったようです。

しかし、ここで特筆すべきは、著者が獲得した効果はそのトレーニングの教材内容に限定されず、それ以降、それとは全く無関係のラジオやテレビや洋画の英語もかなりはっきりと聞き取れるようになったという点なのです

ただし、言っていることはまだ全部分かったわけではなかったようです。

その原因を著者はその後の試行錯誤によって、発音練習を行わずにただひたすら聞くだけを繰り返していたことにあることを突き止め、その「ただただ聞き続ける」ことに「テキストを見ながら(内容理解しながら)聞く」と「シャドーイング」(こちらについてはかつての記事「シャドーイング」「シャドーイングの目的」を参照)を追加することで、(内容理解を含む)リスニングの進歩に劇的な進歩につなげる方法を確立したと言います。

繰り返しますが、リスニングの向上にとって重要なことは「いろいろな話し手の様々な分野の話題をたくさん聞く」ということよりも、「同じ英文をひたすら繰り返して聞く」という一点突破式の方が、短期間でかなりのレベルに達することができるということです。

このことは私にとって非常に強烈な印象を残しました。

では、具体的な方法について見ていきます。

方法としては、このブログの以前の記事「リスニングのトレーニングについて」で紹介した方法を本書の内容に適用する形で進めました。

(1)10回ただひたすら聞く(リスニング)

(2)10回テキストを見ながら聞いて音読する(オーバーラッピング)

(3)20回テキストを見ずに聞いたものを自分で追っかけ発声する(シャドーイング)

(4)10回音声もテキストもなしで自分で暗唱する(リピーティング)

これを本書に掲載されている全150例文すべてこすことで「完全な英語耳」の状態を体験できるという著者の言葉を信じやってみることにしました。ちなみに(4)は著者は要求していないのですが、「リスニングのトレーニングについて」に紹介されていたより高いハードルにチャレンジしようと思いました。

書籍紹介ブログでも告白しましたが、私自身リスニングのトレーニングをいわゆる「教材」を利用して集中して行うのは初めての経験でした。

なぜそれができたのかと言えば、上記のような非常にイノベーティブな方法であるということ、そしてそれを「15時間」という比較的現実的な所要時間を明示してくれていたからでした。

逆に言えば、「リスニングのトレーニングについて」を書いたときにはそれを実行に移すことができそうな教材を見つけることができなかったのです。

おかげでいつもなら、何かしらの言い訳をしてしまいがちな私も今回はやり始めることができたと思っています。

これを見てください。

まずは第一回目から、自分で三つの工程の自己チェックシートを作ってそれぞれどれくらいの時間がかかったのかをチェックしながら実行しました。

(1)リスニング

10回ただひたすら聞くのにかかった時間は3分。

こんな短くてしかもかなり簡単な単語しかないので大意は把握できましたが、スピードが速くて一言一句を把握できるようになったのは5~6回目くらいでした。

(2)オーバーラッピング

10回テキストを見ながら聞いて音読するのにかかった時間も3分。

こちらは(1)の後だということもあり、テキストを見ればすべて把握することができる単語ばかりですので、次のシャドーイングもそれほど苦労なく行けるのではないかという自信も最後の方では感じられました。

(3)シャドーイング

20回テキストを見ずに聞いたものを自分で追っかけ発声するのにかかった時間は10分。

見事に(2)で感じられた自信が見事に崩れ去りました(笑)。

最初は完全にボロボロ。なかなかついていけません。8回目までそのボロボロが続き、その後は何とか形になり始めました。15回目で初めて何とかすべての単語を発声できたという具合です。その後はスムーズにシャドーイングできました。

(4)リピーティング

10回音声もテキストもなしで自分で暗唱するのにかかった時間は4分。

シャドーイングを20回繰り返していたとしても、リピーティング(暗唱)するのは想像以上に大変で、一度もつっかえずに発音できたのは7回目でした。そこからはスムーズにリピーティングできました。

以上が、実際にやってみたことの報告となりますが、これを150例文の全てをこなしたとき(1例文あたり20分×150=3000分=16.7時間)のその効果をかなり実感的に予想することができた気がします。

この時点で必ずやり遂げようと固く心に誓いました。

そう遠くないうちに「英語耳獲得」を報告できますように。