日本人と英語

主語のない日本語の英訳の仕方

2019年6月26日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「なぜその英語では通じないのか」からテーマをいただいて議論をしていますが、第六回目の今回のテーマは「主語のない日本語と英語の関係」についてです。

著者は、日本人が「一般論」を言う時に、その主語に「we」を使うことが多いと指摘されています。

しかしながら、それは「一般論」を言うべき際には好ましくないようです。

それは単純に次のような理由からです。その著者の指摘部分を以下に引用します。

「英語で一般論を述べるときに、You cannot make an omelette without breaking eggs. のように、youを主語にすることが多い。こうしたyouは『あなた』という意味を表す二人称の代名詞ではなく『人一般を指す総称用法』のyouである。改まった英文では同じ総称になるoneを使って、One cannot make an omelette without breaking eggs.と書けばいい。あるいは、Peopleも頻繁に用いられる。 」

つまり、日本人が一般論を言う時にこの問題が生じてしまうのは、このルールを知らないからだということです。

単純に、総称代名詞として認められるのが、「you, one, people」の三つであり、「we」は認められていないということです。

ですから、そのルールに外れて「we」を用いるのであれば、それを受け取る英語圏の人々は、その「we」に含まれるはずの情報を否が応でも受け取らざるを得なくなってしまいます。

例えば、そのことを言っている人が大学生であれば、「我々(大学生)は」とか、日本人であれば、「我々(日本人)は」とかいった感じです。

こういったことは、日本語が「主語なし」で済むという世にも珍しいルールを持っていることからというのが大きな理由のような気がします。

日本語では一般論のほとんどをこの「主語なし」で済ますことができるので、それを英語に直す際に、何か特有のルールがあるとは思わず、日本語的「感覚」でやっつけてしまおうという流れができてしまっているのかもしれません。

その際に、最も「感覚的」に「一般論」に近いのが、一人称複数の「we」ということでしょう。

これなどは、このように一度きちんとルールを教えてもらえば、すんなり使いこなせるようになると思いますので、総称代名詞としての「you, one, people」の三つをきっちり覚えていただければと思います。

 

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