小泉八雲の前置詞に関する解説
2021年6月4日 CATEGORY - 日本人と英語
書籍紹介ブログにてご紹介した「ラフカディオ・ハーンの英語教育」からテーマをいただいて書いてきましたが、第四回目の今回で最終回です。
テーマは「前置詞」です。
以前にも、当ブログでは「前置詞」についてはその用法についてかなり細かく見てきたつもりです。
例えば、「on」と「in 」のイメージの違いについて。
前者は2D(二次元)、後者は3D(三次元)という理解、すなわち「on」は「平面的なものの表面」、一方「in」は「立体的なものの中」(ちなみに、「at」は「点」すなわちイメージは地図上の地点)というように理解してきました。
一旦、そのように理解してもやがてすぐにそれが当てはまらないケースが現れてきます。例えば、時間の表現について。
つまり、なぜ「on Sunday」は平面で、「in June」は立体で、「at noon」は点なのかと。
実は、ラフカディオ・ハーン先生はこの謎にかなり正面から迫ってくれています。
「At – exact time – minutes and hours. On – days and nights — particular days and nights. In – all inexact time —- weeks, months and years. Examples: We take supper AT (exact time) 6 o’clock. When did the students go on the excursion? We went ON the 6th of last month. When was Kumamoto Castle besieged? In the 10th.year of Meiji」
日本語訳です。
「At – 正確な時刻 -分・時 On-日と夜 – 特定の日と特定の夜 In-すべての特定できない時間-週、月、年 。例: 六時に(AT) 夕食を食べます。(厳密な時 刻) 学生たちはいつ遠足へ行きましたか? 先月の六日に(ON) 行きました。熊本城はいつ包囲されましたか?明治10年に(IN)です。」
どうでしょう?私としては、この説明で謎が解けたような気がします。
◆「At – 正確な時刻 -分・時 」
つまり、一寸の狂いもない正確な時間だからそれは「点」なわけです。
◆「 In-すべての特定できない時間-週、月、年 」
つまり、「すべての特定できない時間」だからある程度の「範囲」があると考えられるからそれは「立体」なわけです。
◆「 On-日と夜 – 特定の日と特定の夜」
つまり、「特定の日と特定の夜」は「正確な時刻」すなわち一点よりは広い概念だけれども、「特定できない時間」すなわち週、月、年 よりは狭い概念だから「平面」なわけです。
こんな授業、つくづく私も受けてみたかったと心から思いました。