日本人と英語

単語帳を作るか作らないかそれが問題だ

2018年11月16日 CATEGORY - 日本人と英語

英単語ピーナッツほどおいしいものはない」シリーズの銅メダルコース、銀メダルコース、そして金メダルコースの三つからそれぞれテーマをいただいて書いていますが、最終回の今回は金メダルコースです。

今回のテーマは「単語帳をつくるべきかどうか」です。

ランゲッジ・ヴィレッジでは、参加者の皆さん全員に上記写真のような「単語帳」を差し上げています。この単語帳については以前の記事で取り上げましたので詳細はこちらでご確認ください。

自作のものをお配りしているくらいですから、ランゲッジ・ヴィレッジはこのテーマについては「つくる派」であると思われて当然だと思います。

ですが、単純な「つくる派」だと思われたくないと言うのが本音です。

なぜなら、以前の記事にも詳しく書いてありますが、この単語帳は自分自身の生活上の体験という明確な「文脈」に基づく単語を集めるための「単語帳」として使用するように提案しているからです。

単語を文脈上で覚えるということの重要性を皆様にお伝えするために、この「英単語ピーナッツほどおいしいものはない」シリーズをご紹介しているわけですから、その点は単純な「単語帳」とは区別してご紹介したいという思いがそこにはあります。

実は、本書のコラムにランゲッジ・ヴィレッジのこの区別に関する考え方をサポートしてくれる部分がありましたので以下に引用します。

「私も最初に使ったのは英語、発音記号、品詞、日本語訳と1行をいくつかに分けた市販の単語帳だ。しかし、途中でやめてしまった。なぜなら、ほとんど復習をしないという現実に目覚めたからだ。それから、あれこれ試しているうちに結局落ち着いたのは、テキストの本文や余白に直接書き込むことだった。アクセントは直接振り、発音は単語のすぐ下に間違いやすいところだけ発音記号を書く、意味は上下左右の余白の近いところにその文脈に当てはまる意味だけ書く。テキストなんかいくら汚れてもかまわない。覚えるほうが大切だと覚悟を決めた。これを『余白書き込み法』と名付けて今でも愛用している。ただし、この方法を教科書はキレイに使うべきだと考える几帳面な学校の先生は『きちんと単語帳を作れ』と言って認めてくれないこともある。でも、覚えれば自分の好きなやり方でいいのです。」

この通りだと思います。

結論は「覚えれば自分の好きなやり方でいい」です。しかし、「覚えれば」という条件を満たす方法は、ここで著者が確立した「余白書き込み法」のように、「文脈」とともに記憶できる仕組みに自然と限定されると思います。

そして、私が提案している「街角実況学習法」のための「単語帳」も、形のあるテキストではなく、街角に転がっている形にならない生の表現を抽出する仕組として結果的に「単語帳」という形をとっているだけです。

そして、特に強くお伝えしたいのは、この単語帳のすべてのページの下部には、「Make sentences by using words above.」として、あくまでも「文脈」を添えることを促しています。

ですから、単語学習では「単語帳をつくるか、つくらないか」が問題なのではなく、どのようにして単語を「文脈」とともに覚る仕組みになっているかが問題だということです。

英単語ピーナッツほどおいしいものはない」シリーズはその問題の大きな解決策のひとつであることは間違いありません。