日本人と英語

必死の経験が最良の教材

2020年4月5日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英対話力」からテーマをいただいて書いていきますが、第一回目のテーマは、「最高に学習効果が高い英語習得の形」についてです。

それは、著者が本書の中でいくつもの実例を挙げるまでもなく、私自身が自分の経験から感じていることでありますが、「必死の経験」です。

本書の中では、実例として著者の教え子が、英語圏での生活の中から自分のコミュニケーションを客観視しながら英語力とともにグローバル対応力をめきめきと上達させていく内容を記録しているのですが、彼らの経験がいかに効果的、そして短期間に表れるかは、それらがいかに「必死」のものであるかに比例していました。

私は、アメリカ留学時代、自らの英語力および異文化圏における対応力が、その単発の経験の前と後で驚くほど上がった経験をいくつかしています。

その中でも最も効果が高った経験は、「交通事故での警察とのやりとり」と「その後の保険会社とのやりとり」でした。

留学当時、私は冬のある日、運転する自動車のタイヤが氷の上で滑った際、思わず思いっきりブレーキを踏んでしまい、道路上を三回転位した後、路上に駐車してあった別の車に激突してしまいました。

幸い、自分も含めてけが人はいませんでしたが、そこからが当時の自分にとっては「修羅場」でした。

なぜなら日本でも事故の経験がなかった私を、怒涛の経験が待っていたからです。

まず、警察に連絡し、そこから現場検証、事情聴取、そして警察署まで行っての手続、そしてその後に続く保険会社を通しての相手への補償等です。

日本における事故対応でさえ、非日常の経験ではあると思いますが、異国でのそれは「英語力」「対応力」すべてにおいてその時の自分のスペックを完全に上回る課題だったわけです。

当然、そこから逃げ出す選択肢は私にはなく、どんなことをしても解決しなければならない現実がそこにあったわけです。

警察や保険会社が絡むわけですから、一つ一つの語彙も決して聞き逃すわけにはいきませんので、その時の集中力と言ったら、今までの人生の中で最も研ぎ澄まされたものだったに違いありません。

この経験をなんとか乗り越えた私は、英語力はもちろんのこと、アメリカでの生活に関わる全ての事柄について、自分の中で「余裕」が生まれたような気がするのです。

そして、その「余裕」は、その後あらゆることに積極的になれる力を私にもたらしてくれました。

もし、この一連のやり取りを当時、スマホが存在していて録音できていたら、私の変化はもっと大きかったと思います。

著者の手法はまさにそれを実践することです。

意図的に「修羅場」を作ることはなかなかできませんが、「必死の経験」は確実にグローバル人材を育成する材料になることは間違いないと思っています。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆