日本人と英語

英語と日本語の「敬意」の表し方の違い

2022年5月24日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の品格」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「敬意」の表し方です。

これも、前回の「~しなければならない」表現に引き続き、第二ステップとして情報の「正確さ」、「精緻さ」を高めていくのに資する表現として重要なものです。

一般的に英語は日本語と異なり直接的表現が主体であり、「敬語」とは無縁の言語のように思われている節があります。

しかし、本書で明らかにされているのは、実は英語にも「敬意」の表現は存在するということです。

ただ、英語と日本語の「敬意」は、その前提において次のような違いがあるということに注意する必要があると言います。

「基本的にアメリカは横社会で、日本は縦社会です。日本では話す相手が自分よりも上か下かによって適切な敬語が変わりますが、アメリカではみんなが平等という前提なので、相手の身分や地位に関わらず丁寧な表現を使うことになります。ようするに、相手が自分の部下でも、上司でも、顧客でも、子供でも同じレベルの丁寧な話し方をするべきなのです。日本の上司がしばしば部下に使うような命令的な言い方をするとアメリカではハラスメントとみなされる可能性があります。夫婦間でさえ、丁寧な話し方をすることが多いのです。」

つまり、英語での「敬意」の表し方とは、「表現に手を尽くした感」を盛り込むということです。

それは決して難しい表現を使うということではなく、単語だけで答えるのではなく、完結した文で答えることや相手の要求に対して拒否しなければならない場合には必ずその理由を付け加えるということです。

その前提で考えれば、特に日本人が注意すべきことは、単語だけ、もしくは用件だけといったような「ぶっきらぼう」な表現で終わりにしてしまうという「甘え」を排除するということです。

「以心伝心」という言葉がポジティブなものとして捉えられ「言わなくても分かるだろう」という意識のもとにコミュニケーションが当たり前に行われる日本語に慣れ切っている私たちだからこそ、それは英語初心者のうちから意識して癖付けしておくべきでしょう。

 

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