日本人と英語

英語の長文を読むための前提条件

2021年5月7日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の読み方」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは、英語の長文を読むための「前提条件」についてです。

本書では、英文を読んでいくにあたっての前提となる条件として、「文法理解」「語彙力」そして「英文内容に関する背景知識」の三つをあげています。

このうち、最初の二つ「文法理解」と「語彙力」についてはほぼ自明のことだと思います。

ですので、今回は三つ目の「英文内容に関する背景知識」を取り上げたいと思います。

これについても私は、このブログでそれに近い概念として「文脈」という考え方をあげてその重要性を指摘してきました。

ただ、そこでの私の指摘は、どちらかと言えばそれは日本人にとっての「諦め」どころを提示するというような形でとりあげたものでした。

それくらい、この「文脈」の問題は外国語に取り組む上で「厄介」なものなのですが、本書ではこの厄介な問題にかなり積極的に取り組む姿勢を示しているため、この記事では著者が紹介してくれている具体的なトレーニング方法を取り上げたいと思います。

その方法とは、自分がある程度の「文脈」を把握できているであろう詳しい分野を狙って多くの英文を読み込むというものです。

以下に、その部分を引用します。

「自分に知識が豊富なテーマについての文章は、語学的に多少ハードルが高い文章であっても、大枠が理解できるので途中で挫折しにくいという利点があります。自分の知らない表現や文法について、知識で補って読み進めていけるからです。ただ、かつては自分がよく知っている分野について、英語で説明した文章や動画などを都合よく手に入れることは容易ではありませんでした。しかし、今はインターネットを通じて誰でも目的に沿ったメディアを活用することができます。例えば、ウィキペディアでよく知っている事柄の英語版の記事を読んでみるだけでもかなりのトレーニングになります。そのトピックに関連するキーワードが英語でどのように表現されているかについても多くのことを学べるでしょう。また、それ以外にも新型コロナウィルスの蔓延のように世界で話題になっているニュースを英字新聞のオンライン記事で読んでみる、あるいはNHK WORLD JAPANなど日本のことを中心に扱った英語メディアのニュースを聞いてみると言ったことも非常に有益なトレーニングになるはずです。」

この方法はある意味、意図的に分野を狭めてしまうものともいえると思いますが、著者の提示するこの方法の最大の目的は「継続」させることにあると思われます。

一旦、継続することに成功してしまえば、多くの文章を読み続けることによって少しずつでも分野の枠を広がっていくことにもなります。

またそうなれば、時には思い切って自分の知らない分野に敢えてチャレンジしても「挫折」のリスクは低く抑えることができるでしょう。

やはり何はともあれ「継続」が重要で、継続できる方法を見つけることが一番なのは間違いありませんから。

 

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