日本人と英語

鶴瓶師匠は地球市民のお手本

2020年1月17日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「わたしたちの英語」から、いくつかテーマをいただいて書いてきましたが、前回のテーマが「地球市民とはなにか」でした。

最終回の今回は、その「地球市民」のお手本たる方をご紹介して締めたいと思います。

それは、ずばり笑福亭鶴瓶師匠だそうですが、その該当部分を以下に引用します。

「見知らぬ人と他愛ないことから、話を発展させていくことが社交性です。あいさつや情報交換程度の会話が、やがて意見の交換である対話へ発展していきます。一つ一つの会話が重なって、結果として社会が活気づくと私は思います。反対に一人一人が沈黙すると、気まずい雰囲気ができます。スモールトークで始まる会話は、社会における小さな細胞と言えます。細胞が発展し、次の展開になるのですね。パーティーに出席して、初めての人と話をすることで、知らない世界を知り、時には新しい仕事のチャンスが得られます。スモールトークは侮れません。私はNHKの『鶴瓶の家族に乾杯』を見るたびに、彼はスモールトークの達人だなと思って感心します。初めて会う人への声のかけ方が絶妙です。声をかける間合い、話題の振り方、相手が乗ってこない場合、どうやってつなぐのか、どうやって話を終わらせるのか、参考になります。私は日本であのような社交性がもっと広まればよいと思っています。本書の主題である『地球市民であること』や『国際性』とは結局のところ社交性が発展したものでないかと思っています。」

私もあの番組は、本当に好きでよく観るのですが、私の印象も著者のそれと全く同じでコミュニケーションの「達人」という評価がそのまま当てはまる人だと感じます。

でもそれは、彼が有名な芸能人だから何の気後れもなく話しかけていける存在だからではありません。

あの番組では、必ずゲストが一人いて、そのゲストである芸能人と別行動をして、その土地の人とそれぞれ交流を持つ構成になっています。

ですが多くの回で、同じく有名な芸能人であるのにも関わらず、地元の人との交流に不自由を感じ、鶴瓶師匠に助けを求めることが結構あります。

するとすかさず、鶴瓶師匠はそのゲストの長所を最大限に引き出しつつ、その場をほぼ完璧なコミュニケーションの輪にしてしまうのです。

このような鶴瓶師匠のコミュニケーションを目の当たりにすると、まさにコミュニケーションの本質は言語ではなく、全人間的魅力を伝える力なのかもしれないと思ってしまいます。

本書を読み終えて、「地球市民」を一言で定義してくださいと言われたならば、私は、「全人間的魅力を伝える力を備えた人」だと答えようと思います。

 

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