日本人と英語

18万5000語はたった3000語で言い換えられる

2019年10月6日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「超高速PDCA英語術」からテーマをいただいて議論をしていますが、第三回目のテーマは「英会話に必要とされる語彙数」です。

著者の主宰するトライズは、全体で一年、合計1000時間をかけて「英語をコミュニケーションツール」とすることができるように仕上げる仕組みです。

そして、この一年で1000時間というのが、最も適切な学習時間と考えられています。

このことについて、もう少し詳しく説明いたします。

日本語を母国語とする日本人にとっては英語という学習対象は、世界中の言語の中でも最も難しいと分類される言語であり、「英語をコミュニケーションツール」とするまでには2000時間が必要とされています。

しかしながら、一般的な日本人は中学・高校、場合によっては大学、社会人を通じて「読む・聞く」という受信技能についてはかなりの学習量が認められるので、大方既に1000時間はクリアしており、残りの1000時間を「話す・書く(トライズではあくまでも話す中心)」という発信技能を集中的に行うことで目的を達成できるという考えです。

これについては、ランゲッジ・ヴィレッジの考え方と全く同じで、違う点としてはランゲッジ・ヴィレッジは、「合宿」によってまとまった時間を確保し、しかもそれに「加速度」を加味することによって、通常であれば1000時間かかるところを1~2週間程度で完了してしまうというものなので、考えのべース自体は全く同じだと考えられます。(このあたりの詳細については こちら をご参照ください。)

そうなると、残りの1000時間でやるべきことを精査して、必要最小限で最大の効果を発することができる内容を明らかにする必要があるのは言うまでもありません。

この点について、著者は以下のように認識されています。

「確かに、『とにかくたくさんの単語と文法を覚える』という従来の学習法をイメージしていると、時間が足りないのではないかと感じるのでしょう。でも心配はありません。なぜなら、ネイティブとのコミュニケーションに必要な単語は、すでに頭に入っているからです。中学・高校で学ぶ英単語は3000語です。これだけの語彙があれば、日常的な会話には不自由しません。だからこれ以上、単語を暗記する必要はないのです。もちろん、そう言い切るだけの根拠があります。世界で最も権威ある辞書とされる『オックスフォード英語辞典』には18万5000の単語やイディオムが掲載されています。驚くべきはここに掲載されている18万5000語の解説が中学・高校で学ぶ英単語は3000語だけで書かれているということです。」

要するに、この18万5000語は、たった3000語を使ってすべて言い換えられるということです。

確実に成果を上げる学校を作るためには、「英語ができる」ということをどのように定義するのかを考えなければなりません。この定義がきちんとできてさえいれば、その学校は成果をきっちりと出すことができると確信します。

なぜなら、英語は学習すればするほど上達するのは当たり前ですが、逆に英語から離れてしまえば、劣化していくのも当然ですから、どこまで行ってもできたという自己評価を与えることが難しいからです。

到達すべきレベル、そして維持すべきレベルと明確に「頭の中にある単語(3000語)や文法を組み立ててアウトプットできる」レベルであると認識できれば、もはや十分な英語運用能力を獲得することは、それほど難しいことではなくなるはずです。

 

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