日本人と英語

前置詞「across」の意外なイメージ

2022年3月2日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の前置詞使いわけ図鑑」から前置詞の「意外なイメージ」について書いていますが、第九回目は前置詞「across」を取り上げてみたいと思います。

この前置詞に関しては、「向こう側へ・超えて」という基本的なイメージをしっかりと持っている方が多いと思われます。

ただそのイメージだけですと、すでに学んだ前置詞「over」との違い、そしておそらくその語源であると想像される「cross(十字架)」との関連性についての疑問が残り、どうしても気になってしまいます。

そのため、以下に本書よりその二つの疑問に対しての回答となる部分を引用します。

「acrossの語源は『十字架(cross)+  のように(【その方向へ】を表す接頭辞 a)』ですが、平面的なものを『横切る』『超える』がコアイメージです。a bank across the street (通りを超えたところにある銀行)や walk across the street (通りを歩いて渡る)のように、視点は静的でもあり、動的でもあります。『川を泳いで渡る』は川の水平面を泳ぐので、swim over the river とすることはできません。『across + 平面上の特定の地域』の形、例えば across Japan なら『日本全国に』のように地域全体を表すこともあります。」

つまり、「cross(十字架)」との関連性については、平面(横軸と見て)に対して垂直にクロス(縦軸と見て)することから、また前置詞「over」との違いについては、立体的なものを「超える」(平面的なものであっても弧を描く形で小川などひとっとびで飛び越えられるのを含む)のか平面的なものをそのまま「超える」のかの違いということがよく分かります。

実に見事な回答だったと思います。

 

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