日本人と英語

理由のbecauseとsinceについて

2019年6月21日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「なぜその英語では通じないのか」からテーマをいただいて議論をしていますが、第四回目の今回のテーマは「理由の接続詞 becauseとsince」についてです。

理由を述べる従属接続詞は基本的に「because」を使いますが、上級者になってくると「since」を使うこともあるという知識は当たり前のように持っています。

しかし、それらの違いは何かと問われるとしっかりとした答えを持っていないものです。

ですが、本書ではその理由もしっかり書かれていましたので、その貴重な解説を以下に引用します。

「『彼はテントウムシに対する恐怖心を抱いているというので、私は今夜のサラダに一匹入れてみようと思っています。』というような『ので』という表現を含んだ和文を英訳する場合、Because(Since) he says he has a phobia about ladybugs, I think I’ll try to put one in tonight’s salad.というように、BecauseかSinceを使うのが最も一般的だろう。また、この二つには使い分けが一つしかない。それは、もし『彼はテントウムシに対する恐怖心を抱いている』の部分が読み手に取って『新情報』だと考えられる場合にはBecauseを使い、逆にそれを聞き手がすでに分かっていると想定される場合には、Sinceを使うのだ。ただし、現在はこのような使い分けを意識しないことが普通になっている。」

お恥ずかしながら、今更「そうだったのか!」と素直に納得してしまいました。

そして、今回は偶然にもそのこと以外にも重要な発見をしてしまいました。

それは、「Becauseは文頭では使ってはいけない」説の真偽についてです。

私は、この説自体、正直最近になって初めて知りました。

私は自身が主宰する文法講座の中で、「副詞」「副詞句」「副詞節」は形容詞関連と異なり、極端な話、文のどこにおいても許されるものだという説明をしています。

ですから、そのルールにのっとり、このBecause節も文頭でも、文末でも問題ありませんという解説をしているのですが、ある時一人の生徒さんが、「『Becauseは文頭では使ってはいけない』と習ったのですが、、、」という質問をされたのです。

私はそれまで様々な場面で実際に、Because節が文頭にきている文章を目にしていましたので、「そんなことはない、逆にそうでないと「副詞」関連は文のどこに来てもいいという重要な文法ルールが崩れることになってしまう」という指導をとりあえずして、文法書やインターネットでいろいろ見て回った結果、一部「Becauseは文頭では使ってはいけない」説があることを知りました。

結論からいうと、規範文法としては、これらの接続詞は文頭に置かないことになっていますが、今回著者の例題を見ても分かる通り、「Becasue が文頭に来ても現代では許される」というのが答えです。

ちなみに、「規範文法」については以前にこのブログで解説していますので こちら をご参照ください。

言葉は本来規範から外れないように丁寧に使うべきだというのが筋だと思います。しかし、同時に言葉は生き物であり、変化していきます。

その規範からの逸脱が少数派であるうちはその間違いを指摘することが重要ですが、その間違いが頻繁になされ、社会において便利に使われる状況になるとある時、少数派が多数派に変わります。

言葉を生き物だとする考えに則るのであれば、その時から正誤を逆転させることが言葉をコミュニケーションツールとして使う社会においては必要だと思います。

というわけで、ありがたいことに今後はこの件についてもより適切な指導ができるようになったと思っています。