日本人と英語

betweenの後は必ず二者なのか

2022年3月2日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の前置詞使いわけ図鑑」から前置詞の「意外なイメージ」について書いてきましたが、第十回の今回で最終回です。

最終回のテーマは「between」です。

この前置詞のイメージも前回の「across」同様、ほとんどの英語学習者は自信をもって大丈夫だと言える項目ではないでしょうか。

私も、その中で注意すべき点があるとすれば、前置詞「among」との関連で、その後に来る名詞は必ず「2つ」必要だということぐらいだと思っていました。

ですが、実際にはそうとも言い切れないというぞという、実にユニークな見解が本書には記されていましたのでご紹介します。

「between は the boy standing between his parents (両親の間に立っている少年)やthe bus running between the two cities (2つの都市を走るバス)のように、空間が二者の間にあるのがコアイメージですが、空間だけでなく、between 3 o’clock and 5 o’clock (3時と5時の間に)のように時間的なものを表すこともできます。ただし、The Mediterranean lies between Africa, Europe and Asia (地中海はアフリカ、ヨーロッパ、アジアの間にある)のように、1つのものと周囲の複数のものとの相互関係に重点が置かれる場合には、2つよりも多いものの間でも between を使うこともあります。男女の三角関係も、それぞれの相互関係に重点が置かれるので、love between the three people」

ただ、これだと前置詞「among」との違いが再び分からなくなりそうですので、再度 前置詞「among 」に関する説明を確認してみましょう。

「amongは『同質のものの群れに囲まれて』が語源ですが、空間や範囲などが三者以上の集合体の間にあるのがコアイメージです。amongの後に続く名詞は複数形ですが、the crowd(群衆)やthe audience(聴衆)などの集合名詞も続けます。」

そうです、The Mediterranean lies between Africa, Europe and Asia の場合では、「地中海」とそれを取り巻く3つの「国家」は同質のものではありません。

また、love between the three peopleの場合も、「愛」とそれを取り巻く「三人」は同質ではありません。

「なるほど」と唸ることしかできませんでした。

最後に改めて、本書の視点の鋭さに感心するとともに、前置詞の奥深さに圧倒されてしまいました。

 

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