日本人と英語

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)について

2024年8月19日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「いつまで英語から逃げてるの?」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「ヨーロッパ言語共通参照枠:CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)」です。

本書には英語から逃げずに立ち向かったことによって「グローバル人材」となり世界で活躍している英語人へのインタビューがいくつか取り上げられていますが、その中の一人に「国際バカロレア」日本大使で東京インターナショナルスクール理事長の坪谷ニュウエル郁子氏がいらっしゃいます。

坪谷氏は、インタビューの中でCEFRによって示された英語(言語)のレベルごとに、日本人が到達するまでに必要な時間数から、一般的に学校で学ぶ1000時間を引いた時間を提示して、それだけしか英語時間数しか提供しない政府も、それだけの時間を埋める努力もしないで「英語ができない」と言っている学習者も、ちゃんちゃらおかしい!というかなり厳しい指摘をされています。

そのことについては、私も大いに共感するところではあります。ただ、著者がその「時間数」を絶対視しすぎている点は少し気になりました。

というのも、学校における「1000時間を単純に引くことができる」という言及についても、それを教える教師の能力や学習者の能力に大きく左右されるはずですし、世の中に無数にある学習法にはそれぞれその効果性にかなり大きな差があるはずです。

その上、それだけの時間をかけて一度そのレベルに到達したとしても、そこから何もやらなければ、英語力は下がってしまうのは言うまでもないことでしょう。(それについては書籍紹介ブログでも言及したことです。)

だからこそランゲッジ・ヴィレッジも日々その効果の最大化に努めているわけです。

今回の本論としてはこんなところですが、せっかく「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」という重要なキーワードが出ましたので、改めてこちらについて確認をしておきましょう。

まずは定義から。

CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)とは、

「ヨーロッパ全体で外国語の学習者の習得状況を示す際に用いられるガイドライン。1989年から1996年にかけて欧州評議会が『ヨーロッパ市民のための言語学習』プロジェクトを推進した際に、ヨーロッパ言語共通参照枠がその中心的な役割となった。ヨーロッパ言語共通参照枠の目的は、ヨーロッパのすべての言語に適用できるような学習状況の評価や指導といったものの方法を提供することである。」

というもの。

具体的には、つぎのような各レベルの細かい定義が記載されています。

*少し前の大学入試への民間試験導入問題の時にも、英検やTOEICといった国産の検定試験の級や点数をこのCEFRの各レベルにむりやり当てはめるという荒業をやってのけようとしていましたが、私もこのブログで問題視しました。