日本人と英語

「受け取りに来ました」はcomeではない

2022年9月14日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「日本人の9割が知らない英語の常識181」からテーマをいただいて書いていますが、第二回目のテーマは「comeとbe」です。

「注文したコートを受け取りにきました。」はどのような英語に訳されるのかを考えるにあたって、ほとんどの日本人は「I came here to pick up the coat I ordered.」と前回の「何代目」に比べればずっと自信をもって答えると思います。

しかし、これはネイティブには大変不自然に聞こえると著者は言います。

以下、解答と解説文を引用します。

「I am here to pick up the coat I ordered.

前述の日本人が作った『come』の英文が不自然に感じられるのは、『come(近づくという動作)』に重点が置かれているからです。正しくはこのように『I am here to(~するためにここにいます)』という表現を用いて、その後ろで要件を述べます。」

つまり、この人がクリーニング屋さんに対して伝えたいことは、「注文したコートを受け取ること」という目的のために自分は「ここにいる」ということです。

しかも、クリーニング屋さんにとっては「come」という動詞を使った「近づくという動作」の情報には何の意味も感じられない、いや何の意味もないのにわざわざ表現されれば、「何か別の意図があるのか?」というような誤解のもとになる可能性さえあると言えます。

前回の「何代目」の場合には、スポットライトを当てるものが変わったことによってケネディ大統領にあてていたスポットライトがその前の34人に向けられてしまうことで「ニュアンス」が異なってしまうことを指摘し、日本語の表現に対してある意味「擁護」しましたが、今回に関してはなぜ日本語が、必要性と必然性のいずれも全くない「come」という「近づくという動作」を使用するのか、日本人自身全く理解ができないように思います。

このような英語の論理を知ってしまうと、逆に「受け取りに来ました」という日本語だけを聞いても違和感が全くないという事実がとても不思議に思えてきます。