日本人と英語

highはhigher, the highestより高い?

2020年2月28日 CATEGORY - 日本人と英語

 

今回より書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の発想・日本語の発想」からテーマをいただいて議論をしていきたいと思います。

本書において、おそらくこの二つの言語における最も重要な違いとして、「英語が名詞中心で日本語が動詞中心」で表現をする言語であるということがあげられます。

ただ、このことについては、以前にご紹介済みの別著者による「英語の発想」という書籍の紹介記事において説明済みですので、今回はこれ以外のテーマを取り上げたいと思います。

その第一回目のテーマは「形容詞」についてです。

まず、タイトルの「highはhigher, the highestより高い?」という質問自体、何をバカなことを言っているのか、higherは比較級で「より高い」、the highestは最上級で「最も高い」わけだから、そんなわけはないと思われる方がほとんどでしょう。

私自身も、その質問を聞いた時、そのような考えしか浮かびませんでした。

しかし、本書では英語の発想の典型例として、この英語の形容詞の比較級・最上級の考え方について取り上げています。

以下に該当部分を引用します。

「形容詞についての誤解のひとつに、比較級、最上級の方が原級よりも意味が強いという考え方がある。highよりhigherの方が高く the highestは最も高い、と思いがちだがこれは必ずしも正しくない。highは絶対的に高くないとそうは言えないが、higherは低いものが二つあってそのうちの高い方ということもありうる。the highestも同じであって、最上級という言葉につられてこれが一番高いと考えてはいけない。これが最もはっきりするのはwhiteのような語の場合である。100%白くないとwhiteとは言えない。絶対的白さを示す。ところが、whiter, the whitestは比較するものの中でより白ければ、必ずしも100%白くある必要はなく、相対的白さである。いくらか似たことはthe sameについても見られる。Your feet are the same size as mine. というようなとき、これに副詞を添えてmuch the sameとすると、the sameより同じ度合いが一層高いのではなく、逆に同じさの程度は低いのである。very much the sameとすればmuch the sameよりは同じさの程度は大きいけれども、なおthe sameには及ばない。一番同じことがはっきりしているのはthe sameである。いかにも強調されているように見える形容詞よりも原形の方が強い意味を持つから面白い。」

こちらについては、途中までは「確かに、確かに、」と首を振りながら理解したつもりになってい読み進めましたが、一番最後の「same」件になって、それまでが分かった「つもり」であって、ここでようやく本当に理解したことを悟りました。

これなどは、「比較級」「最上級」という比べるための文法的形がある英語で考えるから分かるのであって、そもそもそのような形のない日本語で考えていたら気づきにくい概念なのかもしれません。

ちなみに、英語圏で作られた冒頭の画像は「short」が一番長く表現されていますが、もしこれが日本で作られていたとしたら、おそらくこのような形にはならなかったでしょう。

このように、「形容詞」を使うことには100%の責任を伴うことを理解してしまうと、なんだか、普通の会話の中でむやみに人や物を形容(叙述)することに躊躇してしまいそうになってしまいます。(笑)

 

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