日本人と英語

LとRの発音はいつできなくなるのか

2020年2月2日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「赤ちゃんは言葉をどう学ぶのか」からテーマをいただいて議論をしていますが、第三回目のテーマは、「発音の習得可能性」についてです。

言語教育における低年齢教育は、本書で指摘されるまでもなく、私もずっとその意義を見つけられないとして反対の立場をとってきました。

それは、効果がないばかりでなく、むしろマイナスの部分が大きいことが一番の理由です。

しかしながら、唯一、低年齢での開始に効果が認められるのが「発音」の分野であることは私も認めてきたところです。

このトピックでの日本語と英語の間におけるもっとも有名なものが、「LとRの聞きわけ」です。

この問題に関する本書の記述を以下に引用します。

「英語話者に区別できて日本語話者に区別できないということは、赤ちゃんの時は誰でも区別できていたのに、日本語でそれらの音を区別しないため、今や区別ができなくなってしまったということなのだろうか。それとも、赤ちゃんの時には区別できないのだけれど、英語を聞いて育てば、それらの音を聞き分ける必要があるので、次第に鍛えられてうまく区別できるようになるのだろうか。1984年に英語だけが話されている家庭で育つ赤ちゃんが、英語では区別しない音を聞き分けられるかが調べられました。80%以上の確率で音の変化に気づくことのできた赤ちゃんを第一グループ(6~8か月)、第二グループ(8~10か月)、第三グループ(10~12か月)という三つの月齢グループに分けました。その結果、第一グループのほとんどが区別可能で、第二グループに進むにつれて区別できる割合が減っていき、第三グループになるとほとんどが自分の言語では区別では区別しない音の変化に気づかないようになっていたのです。ただし、これは『生まれたての頃は万能だったのに!』というわけではありません。言語の音の聞きわけの発達とは、音にはLRのような区別の難しいものが存在しているという前提の下、もともと聞き分けることができていたけれど、区別することが実際に必要だったために、それができる状態が保たれたという場合もあれば、初めは聞き分けられなくても、そのような区別を求める言語に鍛えられて敏感に聞き分けれられるようになっていった場合もあるからです。」

つまり、赤ちゃんと言えど、もともともともと聞き分けることができる能力からスタートする者もいれば、最初はその能力がないところからスタートして、必要に駆られて鍛えられ聞き分けられるようになる者もいるということです。

どちらにしても、発音に関しては、この時期に「区別を求める」環境にいることによってのみ、「維持」され、または「鍛錬」されることで区別が可能となります。

どちらにしても、残念ながらこの時期を逃してしまうと、この発音についてだけはどうしても区別することができなくなってしまうということのようです。