日本人と英語

意外に難しい「short」の用法

2022年11月18日 CATEGORY - 日本人と英語

皆さん、こんにちは。

飽きっぽい性格の私ですが、以前にご紹介した「日経Lissn」、これがめずらしく毎日続いているんです。

その紹介ブログの中で「英語の読み上げがちょっとだけ『機械っぽい』感じがします。」と感想を書きましたが、今では全く気にならなくなりました。(もしかしたら単に読み上げる方の癖だっただけかもしれません)

昨日(2022年11月17日)の配信の中に「酒500種のうつろう需要 サントリー、データで先読み」という記事があり、その中に以下のような一文を見つけました。

「We will be short about 2,300 cases of Suntory Old.」

「short」を「不足」の意味で使うこと自体は私も知っていましたが、「be short of~」という熟語で固定的に覚えてしまっていましたのでこの文章に少々違和感を覚えまして、詳しく調べてみました。

「〜が不足した」という表現には(1)ざっくり何かが不足していることを表現する方法と(2)何がどのくらい不足したのかという具体的に示す方法とがあります。

(1)ざっくり何かが不足していることを表現する方法

I’m short of food. (食糧が不足しています。)

(2)何がどのくらい不足したのかという具体的な単位(値段や数量)をともなって示す方法

I’m 5 dollar shorts.

もしくは

I’m short by 5 dollars.

それを省略して

I’m short 5 dollars.

も可能です。

つまり、今回の「We will be short about 2,300 cases of Suntory Old.」はまさにこのパターンというわけでした。

そもそも、この用法が難しく感じるのは、その不足を感じている者が主語になりSVCの形をとることで「=が不足している」という表現になるので、英語にしては主語と補語がしっかりと対応していない(私=不足?)ような気がしてしまうからではないでしょうか。

その意味では、逆に非常に「日本語的」な感じもします。

それから、shortには「~が不足した」という意味以外に「電気がショートする」という表現がありますが、お恥ずかしながらこの電気の「ショート」なるものが一体いかなる状態なのか、そのことをまともに知ろうとせず今の今まであいまいに使用していたことが自分の中で発覚してしまいました。

その何となくの理解はどんなものかといえば、「電線と電線が接触して雷のように火花を散らす」というものです。

そこで初めて「電気のショート」について詳しく調べましたら以下のような説明がありました。

「普通の電気回路は、電源の+極と−極が直接つながれているわけではなく、回路の途中に電気の流れをせき止める『抵抗』が設置されています。例えば、豆電球を乾電池の+極と−極につないだ回路がわかりやすいのではないでしょうか。この回路は豆電球が抵抗となっているのでショートせず、回路に大量の電気が一度に流れることがありません。ですが、何らかの理由でその回路の途中でコードの絶縁がはがれて裸の銅線と銅線が接触するなどの、決められた回路を通らずに近道をすることがあり、これをショートまたは『短絡』といいます。ショートが起きると、大きな電流が流れ、電線の過熱や発火が発生して、火災を起こす危険が生じます。」

結局、電気のショートは「近道」のshortだったのです。

なんだか、自分の知識の「short(不足)」に愕然としすぎて、脳の回路が「short(短絡)」する思いでした。

 

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