日本人と英語

「study」と「learn」

2020年5月3日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英文法の魅力」から、いくつかテーマをいただいて書いていますが、第五回のテーマも、前回同様「単語の意味の範囲」についてです。

前回は「形容詞」について見ましたが、今回は「動詞」の範囲について見たいと思います。

「学ぶ」という日本語を英語に直す時に、ほぼ100%の日本人中学生は「study」という単語を当てはめようとします。

ですが、高校生になってくると「learn」という単語を当てはめる人の割合が増えてきますが、ただそれは、明確な違いを意識してということではなく、なんとなく「learn」を使ったほうが「バリエーションが増えていい」というような感覚的な理由によると思われます。

しかし、実施にはそれぞれの単語が、前回の「small」と「narrow」同様しっかりとした意味の範囲が確定された、まったく異なる意味を持っていて、決して「バリエーション」で済まされるものではないことが本書で明らかにされています。

以下にその部分を引用します。

「同じ『学ぶ』でもstudyとlearn は違います。前者が学問や課題に取り組む『過程』に意識が向けられているのに対し、後者は技能や知識が身についたかどうかという『結果』に重点が置かれています。その意味では、studyした結果、知識や技能をlearnすることができるのだと言えましょう。したがって例えば

I have been studying English for ten years but I cannot speak it well.

という文章のstudyingの部分をlearningで代用することはできません。learnは『身に着ける』であり、それゆえ情報や知らせなどを『得る』や『知る』という場合に用いられます。例えばこのように。

I learned the news from her.」

その意味で言えば、とりとめもなく単語の量を増やしている学習者よりも、このような根本的な単語の意味の範囲を理解した上で使いこなす学習者であるということの方が、その人がどの程度英語について理解しているのかを判断する材料になると思います。

 

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