日本人と英語

なぜwarmがウォームでwormがワームなのか

2024年2月9日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにてご紹介した「英語の発音と綴り #309」からテーマをいただいて書いていますが、第五回目のテーマは「wの後のaとoの発音」です。

英単語を習い始めのころ、なぜwarmがウォームでwormがワームなのか、もはやこれは嫌がらせではないのかと思ったくらい英語の発音と綴りの一貫性のなさに絶望したものです。

それも時間が経つにつれて、いい意味でも悪い意味でもそれが当たり前になって、「なぜ」という疑問さえも浮かばなくなっていきました。

ですが、本書にはこの「なぜ」に対する答えがしっかり書かれていましたので以下該当部分を引用します。

「wの後の母音字aとoの短音はそれぞれoとuの短音発音になります。例えば、wantはwont(発音は【 ɔ】)でworldはwurld (発音は【ə】)に変わります。(ただしwakeやwadeなどの長音では起きません。)」

って、これはルールであって、「なぜ」に対する説明になっていませんよね。知りたいのは、なぜそのような変化になるのかですから。

もちろん、本書にはその理由も書かれていました。以下引用します。

「wの後のaがoになるのは歴史的にはwの音に影響され、aがoの音に変わったが、綴りは変えなかったことによります。(この音変化が起きた時、aの長音はすでに『大母音推移』を経て発音が短音とは大きく異なっており、wの影響を受けなかった。)一方、oがuの発音になるのはwの後のuをoで代用したために生じた。なぜなら、昔はwをuとuの合字として「ɯ」とつづっていたので、ɯuとなってしまって分かりにくくなるのを避けたから。」

たとえば、wolfは発音ではwulfと綴れそうだが、wはɯ(ダブルu)ですから当時はɯulfと書かれていたため、非常に分かりにくくなってしまっていたのでそれを避けたということです。

まさに言語学は考古学だということをこれでもかというぐらいに感じさせられます。

 

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