日本人と英語

「いつか言いそうな英語」の出所

2021年2月26日 CATEGORY - 日本人と英語

書籍紹介ブログにて「英語日記BOY」をご紹介しましたが、今回から本書よりいくつかテーマをいただいて書いていきたいと思います。

第一回目の今回のテーマは「英語で伝えたいモチベーション」についてです。

そもそも「英語を話せる」とはどういった状態なのでしょうか。

著者はまず定義からスタートしています。

彼の「英語を話せる」ことの定義は、「すぐに言いたいことが言えるオリジナル英語フレーズの引き出しが多いこと」です。

この点については、少しだけ注意が必要かと思いました。

というのも、この「オリジナル英語フレーズ」の引き出しを増やすという表現は、文法を無視してとにかくフレーズを覚えることを重視するという姿勢に結びつきやすいからです。

ただ、本書を最後まで読んでいると、彼は大学受験もしっかり経験されており、文法の基本知識はすでにあるということを前提とした上で「オリジナル英語フレーズ」の引き出しを増やすことを重視しているということが分かります。

決して、「九官鳥英語」を推奨しているわけではないことを前提としての引き出しです。

その前提の下に、著者は海外生活を想像し、シミュレーションすることで「いつか言いそうなオリジナル英語フレーズ」を先回りして書き留めたそうです。

そして、たまったフレーズに以下の二つの共通点を発見したそうです。

① 日頃自分の身に起こること

② 日頃考えていること

つまり、これら「いつか言いそうなオリジナル英語フレーズ」の出所として「日記」という形態が最良ではないかと気づいたのです。

日記は各人の「生活」を切り取って文字化したものです。ですから、当然に①と②をそっくりそのまま切り取ります。そしてそれを英語に直すことができれば、それはすなわち、「英語を話せる」ことにつながるわけです。

ちなみに、私はこの「生活を切り取る」という著者と全く同じ目的を日記ではなく「街角英語実況中継学習法」という形で果たすことを提案しています。

ですから、日記にしても実況中継にしても、この「生活を切り取る」という行為については日本人がおそらく明治時代からやっていることだと思います。

しかし、著者の方法が秀逸なのは、その切り取った生活の日本語を「オンライン英会話」を活用して、安くそして簡単に「生の英語」に変換するという技を組み込んでいる点です。

しかも、マンネリで飽きが来やすい日記という手法を、オンラインの向こう側の生身の人間を介することで継続するモチベーションも獲得するという一石二鳥を実現しています。

その意味で時代を完全に味方につけた合理的な方法だと思います。

 

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