日本人と英語

ソフトウェアの「ware」とは何か

2021年12月21日 CATEGORY - 日本人と英語

まんがでわかる英単語の語源」からテーマをいただいて書いてきましたが、第五回目の今回が最終回です。

最終回のテーマはハードウェア、ソフトウェアの「ware」についてです。

ランゲッジ・ヴィレッジを運営する大芳産業株式会社は「教育事業」以外にも物流施設を中心とする「不動産賃貸」の事業も展開しています。

冒頭の写真は所有する倉庫の看板ですが、その中に「倉庫」の意味である「WAREHOUSES」という単語が入っています。

これも「普段頻繁に使っている言葉ほど意識せずに使っている」例として挙げたいと思いますが、正直言ってなぜ「倉庫」が「WAREHOUSES」と呼ばれるのか深く考えたことはありませんでした。

本書にはこの「ware」についても分かりやすい説明がありましたので以下引用します。

「stewardessという言葉がflight attendantと言い換えられて久しいですが、その理由としてstewardessの女性を表す語尾の『ess』が職業に対する差別につながるからだと言われるのですがこれはいくつかある理由の一つにすぎず、実は男性乗務員のstewardの語源が最近になって『ste(豚小屋・牛舎)+  ward(番人)』だったことが分かり、あまり相応しい名称ではないということが本質的な理由だと言われています。ということで、wardは『見張る』『守る』という意味があります。また、warehouseのwareもwardと同じ語源で商品を保管する家、つまり『倉庫』や『保管(守る)場所』の意味となります。また、softwareは、柔らかくてなくなりやすいものを保管する場所、hardwareは金属など硬いものを保管する場所が本来の意味になります。現在でも世田谷区などの『区』の英訳語としてwardが当てられますが、このことからもwardおよびwareがもともと『(守る)場所』の意味に用いられていたことの証拠です。(一部加筆修正)」

意識していないと、wear(着る)と混同して、柔らかいウェア(表面)や硬いウェア(表面)という意味かなと思ってしまいがちですが、ソフトウェアのウェアは「ware」であり、それとは全く関係ありません。

ただし、現在では辞書を調べてみても、wareにはsilverwareのように(銀でできた)「商品や製品」という、その中で守られていた対象自体の意味しか出てこず、「見張る(場所)」「守る(場所)」という本来の意味としては、かろうじてbewareの訳に「注意する、用心する、警戒する」とあるのみです。

今回も前回同様、英語でご飯を食べている人間であり、なおかつ「warehouse」の仕事もしておきながら、なんともお恥ずかしい限りで猛省をしたいと思います。

 

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