日本人と英語

英語にも存在する「擬態語としてのオノマトペ」

2022年6月19日 CATEGORY - 日本人と英語

前回、書籍紹介ブログにてご紹介した「英語でオノマトペ」を読んで、日本語と比べて英語の「オノマトペ」は圧倒的に数が少なく、そもそも「擬態語としてのオノマトペ」がほとんど存在していないという事実に触れました。

そこで第二回目の今回は、数少ない英語の「擬態語としてのオノマトペ」、しかも限りなく日本語のそれに近いイキイキとした表現をご紹介します。

英語においても日本語同等イキイキとした表現を実現するのは、#275「真・英文法大全 」の関連ブログでついこの間取り上げたばかりの「頭韻(alliteration)」という手法です。

実は、この手法を使用した表現を前回の記事にてご紹介したパターンに「④数少ない擬態語のオノマトペが存在するパターン」としていれようと思ったのですが、こちらは少々解説が込み入りそうだったので独立して解説することにしました。

それらに関する本書の該当部分を以下に引用します。

「頭韻法は日本語のオノマトペにもよくいかされているでしょう。例えば、『ほやほや』の音で人の未熟な様子を表すことができます。『ほやほや』を英語で表現するのは難しいのですが、as green as grassという頭韻を使ったフレーズはgを二回繰り返すので、『ほやほや』と同じように音で未熟さを伝えると思います。日:あいつは入社ほやほやだ = 英:That guy is as green as grass. というもの。また、『とことん』という音の繰り返しで、二つのものが同じ様子であることを強調できるでしょう。英語では、neckを繰り返すneck and neckというフレーズで似たような感覚を伝えることができます。日:その2チームの勝負は今とんとんだよ = 英:The two teams are neck and neck at the moment.」

それ以外にもあと二つだけ本書にあった例をあげておきます。

◆日:そんなにぼんやりした返事をするなよ = 英:Don’t give me such a wishy-washy answer.

 

*手元の辞書には「wishy-washy=どっちつかずの、煮え切らない、優柔不断な、及び腰の、なよなよした」はありますが、「wishy」が単独で載っていないので確かなことは言えませんが、おそらく「wish=神頼み」から「他人任せの」的な意味と「washy=(洗ってしまって)水っぽい」をあわせて「どっちつかずで曖昧な=ぼんやり」ということでしょう。

◆日:私はワクワクして、新しい職場に着いた = 英:I arrived at my new job bright-eyed and bushy-tailed.

*bright-eyedは「きらきら輝かせた目」であり、bushy-tailedは「ふさふさのしっぽ」という意味ですから、まるでリスのようなやる気満々のイメージを伝えることに成功しています。

とはいえこれでも日本語の「オノマトペ」のイキイキさには到底及びませんが、前回ご紹介した三つのパターンに比べればかなり高く評価してあげてもいい様な気がします。(笑)

 

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