
なぜ日本人はそれを選ぶのか?
2026年9月1日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。
日本人の「選択」が世界のそれと比べるとかなり異常な部分があることは、いままでこのブログでも「中古が嫌いな日本人」や「メルカリは日本人を変える?」「日本人の底意地の悪さが日本経済低迷の元凶」などの記事にて指摘してきました。
そんな日本人の「選択」に関するド直球なタイトル「なぜ日本人は、それを選ぶのか?」という本を読みましたのでご紹介します。
本書は、株式会社インテージという、全国7万人の購買データや全国6000店舗のPOSデータ、また自動車、金融、エンタメ、メディアなどの関連情報を収集分析をし、国内外のメーカー企業の事業戦略立案・実行の支援をする国内最大手のマーケットリサーチ・インサイト企業によって書かれています。
その中では、「消費者」にとどまらない日本の「生活者」の様々な分野における「選択」をデータで読み解いた結果が非常に細かく紹介されていました。
実際に、これでもかというくらいのデータ分析結果が明らかにされていましたが、この記事ではその中でも最も私が印象的だと思った分析結果について取り上げたいと思います。
それは「本当に若者はTV離れしているのか」という問いに対するデータ分析の結果です。
以下、該当部分をまとめます。

これはテレビの年代別利用率を示した図です。
高齢年層の利用率が90%前後で高止まりしているのが象徴的ですが、さらに年代別の動きに注目すると、直近5年間でテレビ利用率が最も減少しているのは30代であり、10代や20代よりも大きな下げ幅を示しています。一方で、60代はほぼ変化がなく97%代を維持しています。
「若者のテレビ離れ」がよく言われますが、実際にデータを見てみると、コロナ前と比べて最も利用率が減少しているのは30代であり、若年層だけがテレビ離れをしているといったイメージはやや修正が必要かもしれません。
そもそも20代はコロナ前から他の世代と比べてテレビ離れしていることが見て取れますが、10代に関しては、コロナ前ではそれ以上の年代とそれほど変わらない状況を示していました。
これが何を意味しているのかはこの図を見ると分かります。

これは、「家庭内テレビ保有率」を示したものです。
19年~24年を比較すると10代~20代の保有率が大きく低下しているのが分かります。つまりこれは、親と同居しているときは家庭にテレビがあるのが当たり前だったのが、一人暮らしを始めたタイミングでテレビを購入しなかった若者が相当数存在することを意味しているのです。
つまり、「テレビ離れ」とは「テレビを見なくなった」というより、「そもそもテレビを持たない人が増えた」と捉えることができるのです。
ですが、それらの人がテレビ業界のお世話になっていないとは言い切れないデータが存在します。

これは日本のテレビ局が提供するテレビ番組を視聴できるインターネットアプリ「TVer」のスマートフォンにおける利用率を示したものです。
19年時点で5%だった利用率が、24年には約20%にまで上昇しており、テレビコンテンツそのものへのニーズはなくなっていないことがうかがえるのです。
つまり、これらのデータを総合的に分析すると、若者のテレビ離れの本質的な原因は、テレビ番組が時代のニーズに合わなくなったから(これは実際によく言われていることです)ということではなく、デバイスのフリー化、メディアのロケーションフリー化にあると言えるのではないかということです。
ある一つの「日本人の選択」の背後にあるそこに至るプロセスないし原因を、データによって明らかにしない限りは、商品サービスを供給する企業の行動を正しい方向に導くことができないのだということを非常にはっきりと見せつけられた気がしています。









