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ギリシア神話を知っていますか

2025年2月17日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

いままで、積読状態にあった「旧約聖書を知っていますか」「新約聖書を知っていますか」「コーランを知っていますか」と阿刀田高の「○○を知っていますか」シリーズをご紹介してきましたが、今回の「ギリシア神話を知っていますか」ですべての積読が解消されました。

ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教と(歴史的順番は別にして)続き、最後にギリシア神話を非常にわかりやすく掻い摘んでくれています。

「教」と「神話」ということでもわかる通り、前三つは一神教であり、「教義」も「経典」もしっかり存在しています。

そして、その信じる神は全能にして崇高(私たち日本人からすると特にユダヤの神などの意図は「?」と感じることはありますが)であるのに対し、ギリシア神話の神は多神であり、しかもそれぞれの神が実に人間臭いのです。

つまり、神と人間を区別するのはその精神性ではなく、それぞれの神が持つそれぞれの分野における能力の大きさにすぎないように見えます。

しかも、ギリシア神話には神だけでなく多くの英雄(人間であるが特定分野の非常に能力が高い)も登場するのですが、その違いは前者が「不老不死」であるのに対して後者には「寿命」があることでしかありません。

だからこそかもしれませんが、前三つの「一神教」と比べて、同じように人間臭い「八百万の神」の神話を持つ日本人である私にはずっと身近に感じることができました。

そこで今回は、私たち日本人にとっても名前だけは非常に身近な「アキレス」のエピソードを本書より要約引用してみたいと思います。

「トロイア戦争を戦ったギリシアの武将であったアキレウスが生まれたとき母親は息子が終生不死であるように願って、冥府の河で産湯を使わせた。この河に身を浸せば不死の肉体を得られると信じられていたからである。母親は鶏でもつるすように、赤子の足首をもってドボンと水の中につけこんだ。その結果、足首の部分だけが水に触れず、そこだけがアキレウスの弱点となった。アキレス腱の由来はもとよりこのエピソードからきている。足首の部分を除けば体中どこもかしこも不死身である。だからめっぽう強い。トロイアに侵攻したギリシア人の中でアキレウスほど勇猛果敢な武将はほかにいなかった。性格的には相当に偏屈で依怙地なタイプだったらしい。怒れば狂暴そのものとなる。腕に自信のある一匹狼。己の力以外何物にも頼らぬこの不遜な一匹狼はついに神々の怒りにふれ、戦場にて放たれた屋が彼の唯一の弱点である足首を貫かれ、戦場にて死すべき運命となった。」

ここに、最高神ゼウスと英雄とはいえ所詮人間であるアキレスの大きな違いを表わされているのだと思います。

しかし、最高神ゼウスは本書の中でもこれ以上ないほどの自分勝手な浮気者として描かれており、にもかかわらず神は神として「不老不死」の特権を維持できていることに、私はどうしても納得できません。(笑)

 

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