
サトシ・ナカモトとは誰か
2024年10月29日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
私自身、「ビットコイン」をはじめとする「仮想通貨」「暗号資産」に関してはほとんど興味がなかったこともあって、世の中では大いに盛り上がりを見せているこのトピックに関して、このブログではかろうじて「ブロックチェーン技術について」という記事のみでこの概念について触れているだけでした。
この記事の中から、このブロックチェーン技術というものが何なのかを以下に端的に抜き出します(一部加筆修正)。
「ブロックチェーン技術とは、『一度記録されたものが改竄されない』ことを可能とするもので、国のお墨付きを得た公認会計士がいなくても、すべての人と人とが信用によってつながれる技術だ。つまり、誰でも信用を創造することができ、社会体制の抜本的な変革ができてしまう技術なのである」
このすごい技術の基礎を作った人の正体は依然として明らかにされていないのですが、その技術に関する論文を、「サトシ・ナカモト」という日本人らしき名前を著者名としていることからさまざまな推測や憶測や分析がされているようです。
また、その功績から2016年度のノーベル経済学賞にもノミネートされており、実在すら証明されていない人物がノーベル賞にノミネートされるという前代未聞の出来事が起こったこともあります。
今までになく、この「サトシ・ナカモト」の正体について迫った記事を、2024年10月29日のアメリカの月刊誌「WIRED」のウェブ版に見つけましたので以下引用します。
「誰(ひとりか複数かも含め)がビットコインをつくったかについては、さまざまな憶測が流されてきた。2010年12月に発明者が姿を消してからずっと。とりわけ、サトシが管理すると広く信じられているビットコインの時価総額が何十億ドルにもとなると、サトシ特定のための探索は勢いを増した。2024年10月8日にHBOのドキュメンタリー「Money Electric: The Bitcoin Mystery」でが公開されると、ピーター・トッドは候補の長いリストに名を連ねることになった。ドキュメンタリーの放送後、トッドは何度も、そしてキッパリと、自分がビットコインの生みの親だとの推測を次のように否定した。『はっきりさせておきますが、わたしはサトシではありません。わたしがサトシだと番組が言い張っているのはドキュメンタリーの視聴率を上げるためです』。真実が何であれ、サトシであると名指しされたトッドは、その重荷を背負う羽目になった。そして姿を消した。ドキュメンタリーが公開されてから、トッドのメール受信ボックスは溢れかえっている。『今のところ、金をせびる人からのメールが大量にきています』とトッドは言う。WIREDが見せてもらったメールでは、ある人物が2日間に25通のメールを送ってきて、ローンの返済を手伝ってくれと頼んでいた。トッドは『頭のおかしな人たちからの嫌がらせの継続』は、新しい日常になってしまうと予期している。だが、もっと大きな心配は個人としての安全だ。だからこそ、彼は姿をくらました。『並の資産しかない一般の人がとてつもない金持ちだという偽情報を流すことは、言うまでもなく、その人を強盗や誘拐の危険に晒すことになります』。トッドは言う。『その質問は愚かなだけでなく、危険なのです。サトシは当然見つけられたくなかった。それには正当な理由がある。サトシの捜索に誰もが手を貸してはならないのです』」
う~ん、微妙。というのが正直なところではないでしょうか。
ただ、彼が姿を消した理由が、「宝くじ」に当選した人が直面する「急に親戚が多くなる」現象や「借金の無心をされることが多くなる」現象と同じ(いや、ビットコインのマイニングに関する秘密を聞き出そうと誘拐して拷問される危険性すらあるかもしれませんのでそれよりもっとプレッシャーは強いはず)ものであることについては、ある程度の「現実味」があるようには思えなくもありませんが。
また、記事には次のように、「ピーター・トッド=サトシ・ナカモト」説の弱点についても視点をあて、それに対して反論することでそれなりに信ぴょう性を高めているようにも感じました。
「ビットコインの概念を説明したホワイトペーパーが出されたとき、まだ20歳そこそこだったトッドに高度なP2Pのデジタル決済システムを開発する能力があったのか疑う者はいる。それ以前に、何人もの才能と経験ある暗号学者たちが挑んで成功しなかったことだからだ。だが、その若さこそが匿名と虚像の理由だと番組作成者は考える。『みんな、ビットコインはヒットすると知っていたからこそ、サトシは匿名を選んだと考えてきました。でも、おそらくまともに取り合って欲しかったから匿名にしたのです。あまりに若かったら』」
その上で、次のように続きます。
「番組を通して、トッドは自分がサトシであると言い、その言葉を翻す。『ところで、みんながサトシなのです』。認めたあと、トッドはこうも言う。サトシだろうと番組作成者に詰め寄られた瞬間のことをトッドはこう語る。『監督(番組作成者)をからかっていただけです』」
私としては、この記事の内容のみで彼が「サトシ・ナカモト」であるということを証明できるとはとても思えませんでした。ただ、この最後のトッド氏の言葉を受けて感じることは、この「ブロックチェーン技術」の生みの親は一人ではない可能性が強いのではないかということです。
いやむしろ、トッド氏が言うように「みんながサトシ」でいいのではないかと。