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本当にシンギュラリティは来るのか

2026年5月3日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

「シンギュラリティ―」という言葉がAIの進化に伴って一般化されてきたように思いますが、その考え方を根底から覆すかもしれないと感じさせられるウェブ記事がありましたのでご紹介します。

それはフォーブスの「AIは学習データを使い果たしつつある可能性」という記事です。

まずはその記事を要約引用します。

「AIにとって不可欠な燃料である『データ』が不足しつつある可能性がある。そう警告しているのはスタンフォード大学の新たな報告書だ。AIと大規模言語モデル(LLM)の導入は急速に広がっているが、AIモデルの訓練に使える実データは、今後6年以内に枯渇する可能性があるという。具体的には、『AI研究者らは、大規模モデルの訓練に使える高品質な人間由来のテキストとウェブデータはすでに使い尽くされたと公に主張している。この状態はしばしばピークデータと呼ばれると伝えている。『このことは、これまでより大規模なデータセットに依存してきたスケーリング則(データ量や計算量などを増やすほど性能が上がるという経験則)の持続可能性をめぐり、業界全体の懸念を引き続き高めている』。合成データ(AIシステムが生成したデータ)を使っても、データ不足を完全に解決できるとは限らず、AIの性能の足かせになる可能性すらある、と執筆者らは付け加えている。リスクは、合成データがAIを十分に支えられない可能性がある点だ。実データはなお、訓練データセットの一部として残す必要がある。」

以前にご紹介した「言語学者、生成AIを危ぶむ」にて、「生成AIの学習は『大規模言語モデル』を基盤とし、AIが学習に使っているものは主にインターネット上のテキストデータである」ということを学びました。

今回のスタンフォード大学の報告書は、

「すでにAIは自らの性能向上のために必要な人間が今までの歴史の中で生み出してきたテキストのうちのネット空間に上げられているもののほとんどを訓練で使い果たしてしまったため、今後は今までのペースでの性能の向上は期待しづらい。」

ということを言っているのだと理解しました。

しかも、AIを人間が利用することが当たり前になってしまったこれからの時代では、人間が自ら生み出すそのデータの量も著しく減少していくように思えますし、歴史上人類が創り出してきたテキストでインターネット上に挙げられていないものもまだ存在していても、その多くは「著作権」に守られているためなかなかそれを即座にネット上に上げることも難しいでしょう。

そして、それら「著作権」に守られているテキストデータの方が、そうでないデータと比べて圧倒的に価値が高いはずなので、人類全体の知をAIが越えるシンギュラリティ―が2045年頃に起こるはずだという予測の信憑性は今まで考えられていたよりも低く見積もるべきなのではないかと思ったのです。

さらに、その見積もりを低くするということに関連して、2026年4月27日にAIベンチャー LifePrompt Inc. がChatGPT が今年の東京大学・京都大学の入試で実際の最高得点者を上回ったと発表したというニュースが話題になりました。

一般的には、これのニュースによって「やはりシンギュラリティは近い」と考える向きも強まったように思われますが、しかし私はそれとは少し違う思いに駆られました。

というのも、そもそも人間の受験生 VS ChatGPTの競争は、一方の自分の頭の中にある知識しか利用できない状況での回答と、もう一方のインターネットに接続し、その領域にあるすべての知識を利用しての回答を比べることの意味を考えればまた違った見方ができるはずです。

おそらく、人間の受験生にインターネットに接続してもよいという条件を与えたら、そこから知識をピックアップして編集する力はおそらくまだ圧倒的に人間の受験生の上位層の方が上であるはずですから。

シンギュラリティなるものについて考える上でのポイントはやはり、AIの性能の向上には「人間が作った成果物」であるテキストデータが必要不可欠であるということです。

そして、そのため心配すべきは、人間がAIにおんぶにだっこで自ら成果物を作り出す意欲を失ったとき、人間もAIも「成長(性能向上)」と言う意味では共倒れになるかもしれないということです。

以前に「AIにヒトは支配されるのか」という記事の中で、2024年にノーベル経済学賞を受賞したMITの経済学教授ダロン・アセモグル氏の「AIが自律的なエージェントとなり、人間を隷属させる未来が近いうちにやってくるとは思っていません。」という言葉を紹介し、これが彼の(近いうちに)シンギュラリティは来るのかという命題に対する「NO」という回答だと理解しましたが、今回のニュースはその回答の信憑性を高めるものとなりました。

改めて、今後どんなにAIが進化したとしても私はできる限り自分の力でこのブログを書き続けていきたいと思いました。

 

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