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シン・日本列島改造論

2024年7月18日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

2024年東京都知事選では、熾烈な2位争いが話題となりましたが、最終的には当初の予想を覆して、見事2位の順位を確保した 広島県安芸高田市の前市長 石丸伸二氏の著書「シン・日本列島改造論」を読みました。

この選挙では、選挙中、そして結果判明後も、当選者である小池氏よりも、2位の石丸氏の露出のほうが多かったような感じられました。

そもそも私は、都知事選以前の彼に対しては私は非常に大きな「期待」と「好感」を抱いていました。

それが、以下の動画にあるように、都知事選後のインタビューでの彼は、インタビューアーに対して揚げ足取りとも思われるような非常に「攻撃的」な反応をしました。そしてその彼のやり取りを目の当たりにして私は、当初彼に対して抱いていた「期待」と「好感」のかなりの部分が「疑問」と「違和感」に変わるのを感じたのですが、それは私だけではなかったはずです。

本書を読もうと思った理由はほかでもありません。

世間の少なくない人たちの心の中にこの落差を生じさせた彼の真意はいったい何なのか。

意図的なものなのか、それとも単純にそれが彼の自然体からくるものなのかも含め、その真意を確認するためというのがその理由です。

結論から言えば、私は本書を読むことによって彼のあの「攻撃的」な反応は、明らかに意図的なものであったということを確認しつつ、その真意を知ることができたことによって、「疑問」と「違和感」が「期待」と「好感」に回復するだけではなく、当初の水準よりもさらに大きく膨らむ結果となりました。

以下に私をしてそう思い直させた本書の記述をいくつか引用します。

「私の政治手法でよく言われるのが、『議会やマスメディアとの衝突』です。『議会を敵に回したら政策が通らない』『もっと根回しして上手に振舞ったほうがいい』そんなアドバイスは嫌と言うほど聞きました。でも私はそれを良しとはしません。なぜなら、議員の機嫌の良し悪しで政策を決めるような議会に市政は任せられないと思うからです。『おかしいことに、おかしいと言える』それが私が理想とする政治家です。」

「私は議論は生産的、建設的でなければいけないと考えています。相手が気に入らないとか、根回しがなかったから反対するというものではありません。議会では案件の一つ一つに対して是か非かを論理的に話し合っていかなければいけません。要するに私は『政治のわかる化』をしたいのです。だからあえて目立つような形で発信しているのです。議会ではなるべく分かりやすく説明するように努めます。」

「市の財政が赤字であることは住民自体も分かっていたはずなのです。それを住民が現実から目をそらした結果が現状なのです。しかし、もっと重い責任が問われなければならない者たちがいます。行政の執行部や議会、そしてメディアです。政治家やメディアはしきりに理想論を掲げます。それ自体は悪くはない。しかし、厳しい現実を見ずに語る理想論では意味がありません。彼らが、現在進行形で衰退している市民に求めるべきなのは『覚悟』と『危機感』です。」

これら本書の言葉を読み込んでから再び「あの動画」を見るとかなり違って見えてくるのではないでしょうか。

なぜ彼がマスコミに対して、取り方によっては「不快感」を想起させるようなやり取りに終始したのか、そしてなぜそれをあえて「劇場型」で私たちに見せることにこだわったのか。

全てが一つの目的を達成するための意図的な行為であったことを理解しました。

ただただ、有権者のレベルがここだから、彼らを喜ばせることだけ言っておけば、見せておけばいいんだという姿勢の政治家やマスコミに対して、「全く意味が分からない」と繰り返すことでマスコミ(と有権者自身)のレベルの低さを浮き彫りにし、有権者に「覚悟」と「危機感」を持たせ、彼らを高いレベルにまでもっていく責任をマスコミに自覚させたいという意図からだったのではないか。

私はそう思いなおすことができました。

もう「待ったなし」の状況で政治に関わる政治家を決める選挙を、下世話なネタで埋め尽くすようなマスコミ報道はやめにするべきです。マスコミは金輪際、50人以上の立候補者の大半があまりにも低俗な意識で選挙戦に臨むような素地を作るような姿勢と決別していただきたい。

そのような問題意識を身を挺して促そうとした石丸氏の動向に対して今後も注目していきたいと思います。

 

*ちなみに、これは今回の件とは直接的には無関係ですが、彼の「英語教育」に関する考えを披露している動画を偶然発見しましたのでこちらでご紹介しておきます。