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ハリス vsトランプのTV討論会

2024年9月11日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

アメリカの民主党の2024年大統領候補選定における大いなるすったもんだを経て、ジョー・バイデンの撤退およびカマラ・ハリス副大統領の後継指名(とその受諾)のプロセスについてはこのブログでかなり詳しくウォッチしてきました。

そして、日本時間の本日(2024年9月11日)午前に、歴代の大統領選挙においても最も大きな影響を及ぼしてきたとされる「米大統領選討論会(Presidential Dabate)」が行われました。

特に、今回はギリギリになって民主党候補者がバイデン氏からハリス氏に変わった途端にハリス氏が驚異的な追い上げをみせ、銃撃事件を経て「確トラ」と思われていた状況を一気に接戦に持ち込んだということもあり、この二人の初めての直接対決となるTV討論会は大統領選自体の趨勢を決する可能性が高いとのことで注目度も非常に高くなっていました。

しかも、民主党候補の変更の直接的な原因にもなったバイデン大統領とトランプ氏のTV討論会においては、相手の発言中に聞き手もそれを遮って発言することで討論会が個人攻撃(罵り合い)のようになってしまったことの反省を踏まえて、今回は相手の発言中はマイクをオフにして行うという通常とは異なる方法をとることにもなりました。

しかも、興味深いことにその申し入れはハリス氏ではなくトランプ氏陣営からあったとのことで、トランプ氏もこの討論会を「正念場」と捉えていたということなのかもしれません。

実際に視聴してみた感想としては、例の「相手の発言中のマイクオフ」はかなり有効に機能(時折、オフになっていなくて言い合いになりそうなことはあったが司会者がかなり厳しく統制されていた)して、基本的に落ち着いた中で討論が行われたというものです。

実際には、その内容はお互いの「批判」に満ちたものでした。しかし、これだけ背景・考え方・支持者層が異なる二人の間であればそれは仕方のないことでしょう。

その上で感じたのは、相手の話を聞いている間一切言葉を発することができない中でもカメラは両者を捉えているため、ただただ聞き手側の「顔」の表情が目立ってしまうことでした。

具体的には、終始苦虫をつぶしたような顔で批判をぶちまけ続けるトランプに対して、その批判を聞いている間の「制御不能な子供のでたらめ発言を聞いている母親」がよくする「は?」みたいなハリス氏の顔でした。(笑)

例えば、移民対策に関する議論の中で、トランプ氏は「移民たちはオハイオ州スプリングフィールドの住人のペット(犬・猫)を食べている」とする発言しました。その直後司会者が行政官からそのような証拠はないという確認を得たとして訂正を入れた後、ハリス氏は「ハハハハ、(笑)あなたは本当に極端ね。私がこの選挙戦で200人もの共和党の重鎮(ブッシュやチェイニーなど)たちを含め支持を拡大できているのはまさにこういうことだ。(中略)このような発言を聞くと、米国民に影響を与える問題について対処されておらず、今回の選挙での選択は明らかだと思う。」と発言するという一幕がありました。

(上記ビデオの29:02~31:56あたり)

少し余談になってしまいますが、私はこの訂正を入れた男性司会者(*)の取り回し方、運営能力は今まで見た日本を含めたすべての司会者の中で圧倒的に優れていると感じました。その意味で言うと、私個人としてはこの討論会で最も株を挙げたのは、間違いなく彼だと思います。

*ジャーナリストでabcのアンカーを務める「David Muir(デイビッド・ムーア)

そんな素晴らしい司会の助けもあって、候補者の二人で言ったら、「冷静さ」「知的さ」を表現できたハリス氏が優勢だったのではないかと感じます。

とはいえ、政策など詳細に関する討論の分析に関しては、専門家に任せたいのでNHKのこちらの記事をご参照ください。

 

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