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バイデンが撤退したら何が起こるか

2024年7月5日 CATEGORY - 代表ブログ

(こちらについての記事はこちらです。まさにこの混乱を予想していたかのような画像です。)

皆さん、こんにちは。

先日(2024年6月30日)、「マスコミの本当の仕事」という記事にて、NYタイムズ論説委員会がバイデン氏に対して大統領選挙からの撤退要請を紙面にて求めたニュースをCNNが報じたことをご紹介しました。

それから一週間近くたちましたが、バイデン氏はあくまでも立候補継続を前提に活動されています。

ですが、すでに有力な対抗馬のいないほぼ唯一の民主党候補者となったバイデン氏がもし「撤退」という決断をした場合どうなるのか、そのことを詳細に解説する記事をなかなか見つけられなかったのですが、ここへ来てその場合にどのようなことが起こるのかをまとめた記事がCNNのサイトBCCのサイトに上がりましたのでご紹介します。

記事によると、現時点での民主党の大統領候補者に関する状況は以下のようになります。

「バイデン氏は既に民主党の候補指名を確実にしており、予備選の有権者から圧倒的な支持を集めていたため、撤退した場合は一筋縄ではいかなそうだ。予備選のバイデン氏はほとんど対抗馬不在の状態だった。ほぼ全ての民主党代議員を獲得している事実を踏まえると、バイデン氏が自らの意思に反して撤退を強いられるとは考えにくいが、万が一、予備選後や党大会の期間中バイデン氏が撤退した場合、個々の代議員が党大会の会場で候補者を選出する必要が出てくる。」

ここでのポイントは、「予備選挙」というアメリカの大統領選挙独特の仕組みにあるようです。

現在、バイデン氏は「既に民主党の候補指名を確実にしている」状態ですが、まだ「正式な候補者」と言い切っていないのは、この予備選挙(の結果を正式なものとする党大会)が完全に終わってはいないからです。

以下、この予備選挙の仕組みと日程を明らかにします。

「予備選挙は、候補者らが一般党員の代理人となる『代議員』の獲得数を争うことで行われます。具体的には、50州とワシントンDC、および5つの準州で党員の支持を集約するための党員集会をおこない、有権者が投票することで行われます。日程は州によって異なり、最も早く行われたのは2024年1月15日、アイオワ州で、多くの州で集中する日が『スーパーチューズデー』と呼ばれますが、今回は2024年3月5日でした。このようにして少しずつ大勢が判明していくような形をとり、勝算がないと判断した候補は、選挙戦から『撤退』していき、最終的には党大会において正式な候補者を指名することになります。今回は作家のマリアン・ウィリアムソン氏が2月7日に、下院議員のディーン・フィリップス氏が2024年3月7日、選挙戦からの撤退とバイデンへの支持を表明しています。ちなみに、今回の民主党大会は8/19~22にイリノイ州シカゴで開催されることになっています。」

つまりは、現在のところ民主党も共和党もバイデン氏とトランプ氏以外は全て撤退済で正式な指名が行われる党大会を待つばかりなので、「既に民主党の候補指名を確実にしている」という表現になるわけです。

「このような状況の中でも、民主党全国委員会の規則では、バイデン氏が予備選で獲得した代議員たちはバイデン氏を支持すると『誓約』しているため状況は不透明だ。ただ、そのバイデン氏が自ら降板した場合、代議員たちは『誓約』から解放され、だれを支持しても構わないということになり得る。その場合、党大会は『オープン・コンベンション』と呼ばれるものになる。従来のように予備選を経てすでに指名が決まっている候補者にお墨付きを与えるだけではなく、実際に党大会の場で、複数の候補者について代議員が議論し、1人の候補が過半数を獲得するまで投票を続けるという仕組みだ。このような事態になれば、指名を争う民主党関係者が激烈に競い合う可能性がある。」

ちなみに、バイデン氏が撤退を決めた場合の有力候補としては、予備選で彼に挑戦をしたマリアン・ウィリアムソン氏やディーン・フィリップス氏ではなく、現在副大統領であり、また今回の副大統領候補としてバイデンを支える姿勢を示してきたカマラ・ハリス氏が有力とみられているようですが、アメリカ国民の間での人気があまり高くないことが懸念されています。

これらの記事から総合的に判断するならば、どちらにしてもバイデン氏自身の「判断」にすべてがかかっているということになります。

先週見たように、いくらNYタイムズが自分たちの本当の仕事が「世論の抽出」ではなく、「世論の形成」だと意気込んだとしても、バイデン氏が民主主義の手続きを踏んだうえで「既に民主党の候補指名を確実にしている」以上、その力を世論ではなくあくまでもバイデン氏本人に働きかける方向で行使し、翻意させるしかなさそうです。

こうなってくると、「もしトラ(もしトランプが大統領になってしまったら)」よりも先に「もしバイ(もしバイデンが撤退しなかったら)」を心配しなければなりません。