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ジョー・バイデン大統領選撤退声明文(全文)

2024年7月22日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

今朝(2024年7月22日)起きたら、バイデン大統領がアメリカ大統領選の民主党候補者の立場からの撤退し、カマラ・ハリス副大統領を民主党の後継の大統領候補として支持する考えを示したとのニュースが流れていました。

昨日までの報道によれば、バイデン大統領本人も立候補継続を宣言していましたし、クリントン元大統領夫妻もその意思を尊重するという声明を発表していたことから、私としては「撤退」以外はありえないだろうとは思いながらも、驚きとともにこのニュースに接しました。

とはいえ、民主党はギリギリのところで最善な決断をされたということだと思います。

私は、今月初頭にこのブログで「バイデンが撤退したら何が起こるか」という記事を上げ、次のような感想を述べました。

先週(の記事で)見たように、いくらNYタイムズが自分たちの本当の仕事が『世論の抽出』ではなく、『世論の形成』だと意気込んだとしても、バイデン氏が民主主義の手続きを踏んだうえで『既に民主党の候補指名を確実にしている』以上、その力を世論ではなくあくまでもバイデン氏本人に働きかける方向で行使し、翻意させるしかなさそうです。」

今回、私が「民主党はギリギリのところで最善な決断をされたということだと思います。」と書いたのは、バイデン大統領のこの判断によって次の二つのことがアメリカという国の中で確認されたからです。

一つは、マスコミが自らの仕事が「世論の抽出」ではなく、「世論の形成」であるという圧倒的な自覚に基づいて行った行為が確実にその対象に影響を与えたということ。

そしてもう一つは、民主主義の手続きを踏んだうえで「既に民主党の候補指名を確実にしている」バイデン大統領自身が、自身の正当性とマスコミのその行為の重要性を鑑みた結果、自身がアメリカ国民全体の利益に資する可能性の高い選択を最終的にしたということです。

これによって「もしバイ(もしバイデンが撤退しなかったら)」は解決されました。

次は、「もしトラ(もしトランプが大統領になってしまったら)」という課題に対してアメリカ国民が民主主義に基づいてどのような判断を下すかが待たれるわけですが、ここまでくればそれは共和党・民主党ともに「あるべきところ」に落ち着いた中で国民に判断を委ねられるという意味で、非常に理想的な形で11月を迎えられるようになったのではないでしょうか。

Xに投稿されたバイデン大統領の撤退声明の全文を以下、引用したいと思います。

(書籍紹介ブログの#316「音読王 心にきざむ英語の名文」に収録されてもおかしくない名文ではないでしょうか。)

「My Fellow Americans, Over the past three and a half years, we have made great progress as a Nation. Today, America has the strongest economy in the world. We’ve made historic investments in rebuilding our Nation, in lowering prescription drug costs for seniors, and in expanding affordable health care to a record number of Americans. We’ve provided critically needed care to a million veterans exposed to toxic substances. Passed the first gun safety law in 30 years. Appointed the first African American woman to the Supreme Court. And passed the most significant climate legislation in the history of the world. America has never been better positioned to lead than we are today. I know none of this could have been done without you, the American people. Together, we overcame a once in a century pandemic and the worst economic crisis since the Great Depression. We’ve protected and preserved our Democracy. And we’ve revitalized and strengthened our alliances around the world. It has been the greatest honor of my life to serve as your President. And while it has been my intention to see reelection, I believe it is in the best interest of my party and the country for me to stand down and to focus solely on fulfilling my duties as President for the remainder of my term. I will speak to the Nation later this week in more detail about my decision. For now, let me express my deepest gratitude to all those who have worked so hard to see me reelected. I want to thank Vice President Kamala Harris for being an extraordinary partner in all this work. And let me express my heartfelt appreciation to the American people for the faith and trust you have placed in me. I believe today what I always have: that there is nothing American can’t do – when we do it together. We just have to remember we are the United States of America. Joe Biden 

アメリカ国民の皆さんへ 過去3年半にわたり、私たちは国家として大きな進歩を遂げてきました。 今日、アメリカは世界で最も強力な経済を有しています。国家の再建、高齢者の処方薬コストの引き下げ、記録的な数のアメリカ人への手頃な医療の拡大に歴史的な投資を行ってきました。有毒物質にさらされた100万人の退役軍人に切実に必要とされるケアを提供してきました。30年ぶりに銃の安全法を可決しました。最高裁判所に初めてアフリカ系アメリカ人女性を任命しました。そして、世界史上最も重要な気候変動法案を可決しました。アメリカはかつてないほど、世界をリードする立場にあります。 私は、これらはすべて、アメリカ国民の皆さんがいなければ成し遂げられなかったと思っています。私たちは力を合わせて、100年に一度のパンデミックと大恐慌以来最悪の経済危機を乗り越えました。私たちは民主主義を守り、維持してきました。そして、世界中で同盟関係を活性化し、強化してきました。 皆さんの大統領として仕えることができて、人生最大の栄誉でした。再選を目指すつもりではありましたが、撤退して、残りの任期中、大統領としての職務に専念することが、党と国にとって最善の利益だと信じています。 今週後半、皆さんに私の決断についてより詳しくお話しします。 私の再選のために懸命に働いてくれたすべての方々に心からの感謝を申し上げたい。このすべての仕事において並外れたパートナーであったカマラ・ハリス副大統領に感謝します。そして、私に寄せてくれた信頼と信念に対して、アメリカ国民に心からの感謝を申し上げたいと思います。 私はこれまでずっと信じきたことを今日も信じています。それは、アメリカ人にはできないことはないということです。私たちが一緒にやれば。私たちは自分たちがアメリカ合衆国だということを忘れてはいけません。 ジョー・バイデン」

そして、それに続くバイデン大統領のカマラ・ハリス氏支持の声明についても引用します。

「My fellow Democrats, I have decided not to accept the nomination and to focus all my energies on my duties as President for the remainder of my term. My very first decision as the party nominee in 2020 was to pick Kamala Harris as my Vice President. And it’s been the best decision I’ve made. Today I want to offer my full support and endorsement for Kamala to be the nominee of our party this year. Democrats — it’s time to come together and beat Trump. Let’s do this. 

民主党の皆さん、私は指名を受けないことに決め、残りの任期中は大統領としての職務に全力を注ぐことにしました。2020年の党大統領候補者としての私の最初の決断は、カマラ・ハリスを副大統領に選ぶことでした。そして、それは私が下した最高の決断でした。今日、私はカマラが今年の党の大統領候補者になることを全面的に支持し、支持したいと思います。民主党の皆さん、今こそ団結してトランプを倒す時です。やりましょう。」

2024年7月25日追記

【米大統領選からの撤退について、バイデン大統領が演説】

全文はこちら

私にはこのようなアメリカのダイナミックさが非常に魅力的に映ります。

 

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