パワポカラオケ
2017年1月6日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
先日(2016年12月23日)の日経MJに非常に面白い記事が載っていましたのでご紹介します。
それは、「パワポカラオケ」についてです。
正直、私もこの言葉自体この記事で初めて知りましたが、これが実は日本人のコミュニケーションの弱点の克服に非常に有効なものではないかと強く感じましたので、取り上げさせていただきました。
まず、「パワポカラオケ」とは何かから。
「パワポカラオケと言ってもカラオケではない。出場者はくじを引き、その日のお題と対面。開始のゴング後、スクリーンにはお題とは全く関係ないパワポ画像が次々と。これに沿って、お題に遭うプレゼンを即興で行う。最後は観客の投票で順位が決まる。」
この遊びは欧米で以前からあったようですが、ツイッターのCEOの参加もあったことで話題となり、日本でも東京だけでなく大阪や名古屋で地方大会も開かれるなど盛り上がりを見せているようです。
具体的な競技の様子は、次のようなものです。
「発表者はこのスライドを事前には見ていない。プレゼンの題がクジラであることは、30秒前に知らされた。9分間即興で次のようにクジラについて話した。『皆さんに話したいのは……クジラとの体験です。』聴衆はクスクス笑い出した。彼女が背後を見やると、パワーポイントのスライドに上半身裸の男性の胸元のスケッチ4枚が映し出された。胸毛の生え方はすべて異なる。クスクス笑いは爆笑に変わった。彼女は『クジラには1頭ごとに違った特徴があります。特に体毛はそうです』と続けた。」
要するに「ムチャぶり」に対する対応力のコンテストといったところでしょうか。
私がこの記事に興味を持ったのには実は理由があります。
それは、ランゲッジ・ヴィレッジの参加者さんの「カンバセ―ションクラス嫌い」という現象に悩まされていることです。
ランゲッジ・ヴィレッジでは、基本的にほとんどのレッスンに対してどんな能力を伸ばす為のものかという目的を持たせ、そのテーマに沿って設計されています。ただ、一つだけ、あえてテーマを持たせないレッスンがあります。
それは、「カンバセ―ションレッスン」です。
そして、またこのレッスンに対する苦情がダントツなのです。
その苦情のほとんどが、「あらかじめ、会話のテーマを決めてほしかった。」「テーマが自分の好きなものではなかった」といったものです。つまり、それらが理由で、他のテーマが決められたレッスンと比較してクラスが盛り上がらないということなのです。
でも、違うのです!
英語が苦手な日本人の特徴として、英語の能力云々はもちろんありますが、実は英語力の前に、このコミュニケーション嫌いという性質が、その上達の邪魔をしているという事実に気が付いてほしいのです。
会話は、キャッチボールです。投げられたボールが自分の好きではない方向から来たとしても、それをうまくとって、相手のとりやすいいいボールを投げ返すということで成立するのです。
ですから、「テーマが自分の好きなものではなかった」から、会話が弾まないなんていうのは、そもそも根本的な姿勢がおかしいということに気が付いてほしいのです。それに気が付きさえすれば、英語を話すことにぐっと近づくことができるのです。
そして、それができるようになると、自分以外は全員外国人というコミュニティーの中でも、日本人がコミュニケーションの中心となることだって簡単にできるようになるのです。
このことを知ってほしいので、ランゲッジ・ヴィレッジでは、どんなに人気がなくても、完全には「カンバセ―ションクラス」を廃止しないのです。
ですが、毎回その意図を説明しても、どうしても理解していただけない方がいらっしゃるのが悩みでした。
今回、この「パワポカラオケ」の存在とそのコンセプトに触れることで、もしかしたら、この理解を進めるための突破口になるのかもしれないと思いました。
よく研究して、そのエッセンスをレッスンの一部に組み込めないか真剣に検討してみたいと思います。