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フォントのふしぎ

2020年9月4日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

皆さんは、文字を書くときにどの「フォント」で書くかについてどれほど気を使いますか。

私は、自分自身でイラストレーターを使って会社の印刷物のデザインを多少したりしますので、比較的フォントについて気を使う方ではあると思います。

とは言え、今までそのことについて体系的に学んだわけでもなく、自分が作成する印刷物の内容によって、イラストレーターにすでにあるフォントの中から「適当」に決めているというのが実情ではあります。

そんな中、先日ふと目に留まったのが「フォントのふしぎ ブランドのロゴはなぜ高そうにみえるのか?」という本でした。

これは、モノタイプ社というフォントを作成してソフトウェア会社などに販売するドイツの会社に勤務しながら世界的に評価の高いフォントの賞の受賞経験もある日本人タイプデザイナー小林章氏による本です。

本書では、著者が自分自身で作り出したフォントを含めた様々なフォントを取り上げて、その作成の背景情報やそのフォントが想定する効果について丁寧に説明をされています。

しかしながら、著者は、タイプしようとする文章の内容に対して、素人が自分自身の感覚で選択したものと、彼らのようなプロが選択したものとほとんど変わりがないといいます。

つまり、冒頭で私が書いた、「自分が作成する印刷物の内容によって、イラストレーターにすでにあるフォントの中から『適当』に決めている」という姿勢で何の問題もないというのです。

もちろん、これはすでに存在するフォントを使用するときの「選択」の話であって、彼らがそれらを作成するときに求められる専門性の話ではないことは当然ですが。

このあたりの感覚的なことについて著者は次のように私たちに伝えてくれています。

「フォントって、重要な場面であればあるほど、それで組まれた『言葉』の方がたってきて、フォントの存在はほとんどなくなっちゃうんですよね。でも、それが本来の役割です。読む人は、文字の形そのものなんか見ていない。内容を読み取ることだけを考えて読んじゃうのが当たり前です。実は、そこが本当にガッツポーズをとりたくなるところ。だって、形が目立つってことは字の形に邪魔な要素があるってこと。その結果、言葉が頭に入らないし、しまいには読むのをやめちゃう。そうさせないのが、フォントの本当の力なんです。」

だから、できたフォントを見る目というのは、基本的に素人もプロも変わることはない。むしろ変わりようがないということ。

でもそれは、フォントを作るプロの人たちの仕事は、そのフォントを素人が「適当に」選ぶ選択肢を増やすということです。

本書との出会いによってそのことを理解できました。