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人類とイノベーション

2021年12月4日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

今回ご紹介する「人類とイノベーション」は、壮大なる人類のイノベーションの歴史を概観できる貴重な一冊です。

本書においてまず明らかにされることは、「発明家」と「イノベーター」の明らかな違いです。

「世界で最も有名な発明家は誰か」という質問に対する最も有力な候補は、白熱電球で有名なトーマスエジソンだと思いますが、本書では彼を「発明家」ではなく「イノベーター」として定義しています。

確かにエジソンは、1世紀以上にわたって人類に貢献し続けたこの白熱電球を「発明」しましたが、実は彼が発明するよりも前に、世界の様々な国籍の21人もの「発明家」が「ガラスの電球の中に白熱するフィラメント」というアイデアを考え出すか、公表するか、特許を取得するかしています。

それなのになぜ一般に白熱電球の「発明者」としてエジソンの名前だけが歴史に残っているのか、それは彼が「電球を(ほぼ)信頼できるものにした人物」だからだと著者は言います。

電球の信頼性は「フィラメントがいかに長持ちするのか」の一点にかかっており、彼は「全能の神の作業場のどこかに我々が使うのにぴったりの幾何学的に強い繊維を持った植物の茂みがあるのだ」という信念のもと、最適の材料を見つけようと6000種類以上の植物材料を試した結果、日本の竹(現在は金属であるタングステンで1000~2000時間の耐久性)が1000時間以上持つことが証明され、見事に「電球を(ほぼ)信頼できるもの」にしました。

本書では、このように世の中に数多く存在する「発明(アイデア)」を実用的で頼りになる製品の形にし、それを手ごろな価格にて大衆に届けることを実現することを「イノベーション」、それを実現する人を「イノベーター」として「発明」「発明者」と区別しています。

そして、「発明」と「イノベーション」との間には途方もなく大きな「見落とし」やそれに伴う「無駄」がいかに多く存在しているか、そしてそれらを乗り越えるためにはエジソンの例で分かるような長期にわたる地道な「試行錯誤」がいかに必要であるということを明らかにしています。

この一冊で「エネルギー」「公衆衛生」「輸送」「食料」「ローテク」「通信とコンピューター」という各分野におけるイノベーション、すなわち「試行錯誤」の歴史を概観することができるという意味で、本書はとても壮大だと思います。

 

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