代表ブログ

仕事と生活についての雑記

2025年1月9日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

一橋大学の楠木建教授の新刊「戦略と経営についての論考」の読後開始直後に同時発売の「仕事と生活についての雑記」の購入を決めたとお伝えしましたが、こちらについても読後の感想を書きたいと思います。

私は楠木教授の出された本はほとんど発売直後に購入して読んでいますが、それは前回もお伝えしたように「ハズレがない」からです。

先生は「競争戦略」を専門とする経営学者でありますので、その「ハズレがない」というのは、先生のあらゆる著作は学問的主張が論理的抜けが全くないものに仕上がっているということです。

とはいえ、それだけで私がほとんどすべてと言ってよい先生の本を発売直後に購入する理由とするのは少々弱いと思っていて、その残りの部分には、「学問的主張」のみならず、先生のものの考え方、発言、もっと言えば「生き方そのもの」が論理的抜けが全くないものに仕上がっていることがあるのだろうと思っています。

本書「仕事と生活についての雑記」はそのタイトルからして、先生の「生き方そのもの」についての雑記ともいえるものだろうと期待して読み始めましたが、その結果はやはりいつもの通り「ハズレがない」ものでした。

先生の仕事がなぜこれほどまでに精度高く「ハズレがない」ものに仕上がるのか、その疑問に対する答えになりそうなことが本書に書かれていましたので以下に引用します。

「本書に収めたすべての文章には一つの共通点があります。自分が面白いと思ったこと(だけ)を書いているということです。これが書く仕事をする上での僕の金科玉条にして原理原則です。自分で面白ければ人にも伝えたくなります。人に伝えるためには頭の中にある思考を言語化しなければなりません。ここに僕の最大の書く動機があります。自分が面白いと思ったことを他者と共有し、その人にも面白いと思ってもらう。どれをとっても僕がこれまで頭の中で練り上げてきた価値基準が通底しています。そこをくみ取ってくださいますといよいようれしい。」

人の話でも本の内容でも、話し手や書き手が自分で面白いと思っていないことであれば、それは聞くにも読むに堪えないものになるのは当たり前です。

人の話はさておき、お客からお金をいただいて読んでもらう本であれば当然そのような前提はあるのでしょうが、その中に収められたあらゆる文章を無駄なく面白いと思って書くことは、それはそれは難しいことだろうと想像できます。

しかし、本書をはじめとする先生の本の中にあるのは、文字通り一文一文が面白い、無駄がない、著者がこれまで頭の中で練り上げてきた価値基準が通底しきっている、といった感じなのです。

見習おうと思ってできることでは到底ありませんが、これからも先生の一文一文をフォローし続けていずれはその領域に自分を近づけていきたいと思います。

 

◆この記事をチェックした方はこれらの記事もチェックしています◆