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北極星 僕たちはどう働くか

2026年4月19日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

今回は、このブログで「夢と金」など新たに出版されるたびにご紹介してきたキングコングの西野さんの新刊「北極星」をご紹介します。

今までの著書でもそうだったと思うのですが、本書を読んで改めて深く感じたことは、著者は自らが実際に経験した具体的な事柄を、抽象化し、それを言葉にすることの天才だということでした。

以下に、その中でも特に印象的だったものをいくつか挙げさせていただきます。

◆「木を植えるのに最適なのは20年前だった。次によい時期は今だ。」

これは、20代で体力に任せて量で勝負し、30代は20代で投下した量によって得た質で勝負し、40代は30代で質で勝負した結果得た人脈で勝負し、、、という具合にやるべき時にやるべきことをやるという「投資」の本質を厳しく説いた後に補足的に述べられた言葉です。そうしてこなかった者に対しても決して遅くはないということを伝えるための言葉だと捉えます。

◆「人は他者が用意した完成品よりも自分の意志や時間を投じたものに自然と高い価値を感じる。まるで娘のピアノの発表会に向かう親のように。」

AIで小学生がその道30年のプロと同じレベルのイラストを生成できる時代に自分が関与していない作品に、それ以前の時代と同じ熱量で価値を見出すことは難しいということを分かりやすく伝えるための言葉です。

◆「『機能(情報)』はゼロ円で拡散されるため、もはやそれは競争優位ではなく参加資格にすぎない。」

これは世界が実質的に「ファン」と「ファン以外」に二極化したことを表現し、その商品サービスがファンを作ることができなければ値段は即座に比較され、選択肢から外されてしまうこと、すなわち価格は単なる数値ではなく、「納得」の問題になることを意味します。

◆「特別利益などないほうが良い。なぜなら、それには再現性がないため、経営者に間違った成功体験を植え付けてしまうから。」

来期も同じ形でやってくる保証がないにもかかわらず、それが経営者に成功体験として記憶され、意思決定の基準を楽な方に書き換えてしまう。一度上ってしまった生活水準は簡単には下げられない理屈と同じだということを意味しています。

◆「モチベーションは『行動の原因』ではなく『成功の副産物である。』」

まずは行動があり、そこに偶然でも小さな成功が生まれ、その結果として「行けるかもしれない」というモチベーションが立ち上がる。この順番でしかない。つまり、働き手のモチベーションを上げるためには成功確率を上げるか、成功するために試行回数を増やすといった仕組みを作る経営側の問題ということです。そのため、「やる気を出せ」という経営者の言葉は本来自分の側にある責任を個人の内面に転嫁する的外れな言葉であるということになります。

◆「『迷い』とは、選択肢が目の前に並んでいる状態で『答えを選べないこと』であり、『悩み』とは、そもそも選択肢が存在せず、『答えが見つからない』こと。悩みにおいてはどうしても答えが見つからないので、結局行動に踏み切ることでしか終わらない。」

まずは、この二つを分け定義します。前者は「答えが決まった瞬間」に終了することが分かるので分析の対象になりません。一方で、後者は「答えが存在しない」ということが分かったとしても悩むものです。時に、忙しく動き回っている人間よりも、時間をもてあましている人間の方が圧倒的に悩んでいることから、悩んでいる人はアルコールやギャンブルのようにその行為そのものから何らかの快楽(報酬)を得ていると考えられます。それは、暇な人は自分に役割が与えられていないことから「孤独」を感じており、悩むことで人は「何かに取り組んでいる自分(役割)」を感じられるからです。ですから、忙しくすること、すなわち行動に踏み切ることが悩みから抜け出す唯一の方法だということです。

◆「そもそも営業とは『売る行為』ではなく『観測行為』だ。相手の表情、沈黙、言葉にされなかった拒否、価格に対する本音、その場の温度。数字やレポートには決して落ちてこない情報を、体で受け取りに行く作業。それが営業だ。」

この「観測」を経営者が人任せにした瞬間、その頭の中にある戦略はすべて「想像」で組み立てられることになります。だからこそ、うまくいっていない会社ほど、分かりやすいほどにリーダーが営業から逃げているのです。それはそうです。もっとも傷つく役目を部下に押し付けるということなのだから。人は痛みを引き受けた者の言葉にしか納得しない、この当たり前のことをここまではっきり言える著者は明らかにそれを引き受けている人に違いありません。

これら一つ一つの言葉がいちいち納得感が高く、心に響き、エンターテナーとしてのみならず、経営者としての著者の凄みをページをめくるたびに感じさせていただきました。

 

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