
当たり前のこと
2025年2月6日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
昨日(2025年2月5日)のとあるネットに佐賀県において公務員に対する「分限免職」が行われたことに関する記事が上げられていました。
その記事を要約引用します。
「『能力不足』だったとして、佐賀県が50代の男性職員2人を分限免職にしたと複数の新聞が報じ、定年近くになっての処分にネット上で驚く声が上がっている。以前から能力不足だったのか、年配になってそうなったか。県の人事課に取材して、処分に至るまでの経緯を聞いたところ、『職員1人は、回覧する書類に資料を添付してほしいと指示を出したにもかかわらず、指示通りにしませんでした。』とのこと。もう1人の職員は、繰り返し指示しても、文言や数量のチェックなど基本的な確認を怠った。また、外部の人との打ち合わせ記録を紛失したり、数日でできる事業費の算定作業を3か月かけたりしてその内容も不十分だったという。県は、16年度から人事評価制度を導入しており、2人は、1年間の人事評価で、2回連続で最低ランクなどになっていた。その後、2か月間の改善指示を受けて、プログラムを受けていた。今回の処分は、『人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合』などは免職できるとした同法第28条1項などに基づき行った。懲戒処分とは違い、退職金は全額支給されることになる。『本人たちは、仕事への姿勢が前向きではありませんでした。弁明の機会も与えていましたが、弁明はありませんでした』(人事課)処分を受けた2人は、入庁以来職員として数十年間働いている。民間企業で働いた経験はないという。」
なぜこの記事に目が留まったのか、それはこの記事内にある「分限免職」という制度が存在していることに(いい意味で)驚いたからです。
昔、公民の授業で公務員には団体交渉権が認められていない代わりに、免職に関しては「法律や条例に違反した場合」「職務法の義務に違反または職務を怠った場合」「全体の奉仕者にふさわしくない非行のあった場合」の三つに厳密に限定されているということを学んだ記憶があり、実質的にはその職に要求される能力がなかったとしても、強制的に辞めさせることはできない職業だと思っていました。
そのことで、税金が無駄に使われ続けること、そしてそれにとどまらず実質的に理不尽な思いをしてきた(現在もしている)人を私もたくさん知っています。
彼らから多くの理不尽な話を耳にしましたが、その中でも最も印象的だったのは、公立中学校における教師が、持ち上がりで複数の学年を担当し、初学年の最中に著しく適正に欠ける言動があったため苦情を上げた(聞く限りモンスターペアレンツではないと判断できます)にもかかわらず、受験学年まで担当した挙句、重要な進路面接(三者面談)までも二年連続ですっぽかしたという冗談のような話です。
当事者にとっては人生の一大事にあたって、事前にアラートを鳴らしたにも関わらず、そのまま最後までということですから、お気持ちお察しいたしますとしか言いようがありません。
ここまでではなくとも、これに類するような理不尽な状況で多くの方が悩んでおられますが、彼らをその職から解く術がなく、理不尽が繰り返されることを受け入れ、諦めるしかないと思い込まされています。
しかし、実際には「その職から彼らを解く術」はあったということになります。
ただ、実際には教員のブラック職場の問題もあり、そのなり手がいない状況でこの「分限免職」を頻発させるということが難しいというのも現実なのかもしれません。
その問題はその問題として当然に改善努力はしていく必要がありますが、それでも、公務員の世界にもこの「当たり前のこと」が制度として存在していたことを知ることができたのは非常に大きなことでした。