
感情は「言語化」でコントロールする
2024年10月24日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
日本テレビ系列のドラマ「オクト―感情捜査官」を見ています。
このドラマは、人の感情が「色」で見える特殊な力を持つ飯豊まりえさん演じる心野朱梨刑事が、愛、悲しみ、怒り、嫌悪などの事件の動機となる感情を読み解き、真犯人を見つけ出すというものです。
それぞれの感情を色で表現し、「喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待」が混ざり合うことで様々な感情が誕生するというアメリカの心理学者ロバート・プルチック氏の「プルチックの感情の輪」という理論をベースにしているようです。
始めは、なんて荒唐無稽なストーリーなんだと思ったのですがそのことを知り、このドラマを見続けるモチベーションが高まって、継続的に見ています。
そうなると、この理論についてもっと詳しく知りたいという気持ちになるのがいつものお決まりのパターンで、何かいいリソースはないかと探していたところ、Newspicksの記事にこの「プルチックの感情の輪」を活用して「感情を言語化してコントロールする」という記事を見つけたので、今回はその内容をまとめてみたいと思います。
この記事の要旨を要約すると以下のようになります。
「感情とはもともと『生存』のために存在するものだ。危険な状況に遭遇したときは、『恐怖』を感じることで、私たちは自分の身を守る行動を取ることができる。このように、『取るべき行動』を促すためのシグナルを私たちに送るのが、感情の役割だ。とはいえ、現代を生きる私たちの感情は、なかなかに複雑だ。そのため、感情のシグナルを正しくキャッチできない人や、感情に対して取るべき行動を正しく結びつけられない人が増えているという。つまり、自分の『感情』を正しく把握できていないことが現代社会を生きる上で大きな問題となるのだ。その原因はひとえに『感情を表す語彙が足りていない』ということ。人間は『言葉』で考える生き物なので、こうした複合的な感情をハンドリングするには、適切なボキャブラリーが必要になってくる。多くの人は、感情を『なんとなく』認識しており、複雑な感情をとらえるのに曖昧な言葉をよりどころにすると、適切な行動が取れなくなってしまう。例えば、『怒り』の感情にしても『ムッとする』『シャクに障る』といった弱めの感情から、『はらわたが煮えくり返る』まで、細かいグラデーションがある。それを『怒り』という一つの言葉でラベリングしてしまうことで、本来はもっと弱い感情だったはずが、本気で腹を立ててしまうことに問題がある。そのため、『感情の構造』を知っておくことが重要となり、そのためには『プルチックの感情の輪』(冒頭の図)という理論が有効なのだ。プルチックの感情の輪では、輪の中心部に行くほど『強い感情』になり、逆に輪の周辺部に行くほど『弱い感情』になる。そして、感情は、弱いほどコントロールしやすいという性質があることを知っておくべきだ。感情をひとつのワードのみで認識していると、そこにはグラデーションがないので打つ手がなくなってしまう。しかし、より弱い状態の語彙を持っておけば、感情をそちらに移行させることで、ハンドリングがしやすくなるのだ。」
これは本当に分かりやすいと思いました。
英語屋的に言えば、「プルチックの感情の輪」は、文脈および使用頻度の多寡の情報を伴った非常に優秀な「単語帳」のようなものと理解することができます。
ほとんどの人にとっては通常の生活をする上では使用頻度の高い(誰でも知っているような単語)を活用することで便利に言語生活を行うことができます。時より訪れる専門性の高い場面やアカデミックな場面などに限定して、使用頻度の低い(高レベルな単語)を使う必要が訪れるわけです。
このような中で、文脈に関係なく、限られた単語を使うしかないとしたら、ほとんどコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
多くの語彙を知ることで、効率的かつ効果的なコミュニケーションを実現することができる、これと同じことが感情のコントロールにも言えるということがよく分かりました。