「教える」ということ(2)
2024年8月27日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
このブログでも何度も登場しているライフネット生命の創業者で立命館アジア太平洋大学(APU)の前学長 出口治明氏の新著「『教える』ということ」を読みましたのでご紹介します。
「新著」といっても、実は私は4年前に全く同タイトルの本を読んでこのブログに書評を挙げていました。
にもかかわらず、(真ん中を超えたくらいで掲載されていた対談の相手が東大の岡ノ谷教授であったことになんとなく既読感を感じたものの)まったく新しい本のつもりで読み進め、最終ページに書かれた「2020年5月に小社より刊行された同名の単行本を、加筆修正・再編集したものです。」との一文でようやくそのことに気付きました。
というわけで、まずは自分自身の記憶力の衰えを大変心配しましたが、それくらいがっつりと「加筆修正・再編集」されおり、最終的には内容としては全く「別物」として読んだのだと自分自身を納得させました。(笑)
それは単なる自分への言い訳ではなく、全く新しい印象的で深みのある内容だったからでした。
というわけで、以下に前回とは全く「別物」としての書評を書きたいと思います。
「教える」とは何か、というテーマでありながら、冒頭から「国家」「選挙」「税金」「政治」とは何かを語られていたので、「はて、このタイトルと内容の乖離はなんだろう?」と思い始めたところで、「政治とは何か」に対する次のような解説をよんで「ハッと」気づきました。
「政治とは市民が払った税金をどうやって分けたらみんなが豊かに暮らせるかを考えること」
そうです。「教える」ということは、
物事の本質の部分を伝えること、だから、知識を知っているだけの人は「教える」ことができない。そして本質を伝えるということは、教えられた人がそれを前提に「応用」「展開」できるようにすること。
だと。
実は、著者は実例を出してタイトルの「教えるということ」というテーマについて教えてくれていたわけです。
また、その「応用」「展開」できる力というのが、「自分の頭で考えて答えを探すこと。(疑問を疑問のまま残さず腹落ちするまで考えること)」ということも。
言い換えれば、教えるということは、本質的なこと(教える側が自ら自分の頭で考えて答えを探した結果)を伝えることで、伝えた相手にも、それと同じことをする習慣を身に着けさせることなのだとということです。
少なくとも私は、前著を読んだだけではこの理解には到達できていませんでしたので、それだけでも本書を前書とは「別物」として読んだのだと思っております。