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日本語の発音はどう変わってきたか

2025年6月11日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

以前にご紹介した「日本語の大疑問2」の関連ブログとして前回「漢字の読みが日本語と中国語で異なる理由」という記事を書きました。

そこで、日本語の「発音」についてより詳しく知りたいという気持ちが大きくなり、その知識欲を満たしてくれる良い本はないかと探したところ、「日本語の発音はどう変わってきたか」という本を見つけました。

本書のタイトルの横には、「『てふてふ』から『ちょうちょう』へ、音声史の旅」という副タイトルが書かれており、大いにその知識欲を掻き立ててくれたわけですが、ここで私はずっと大いなる勘違いをしていたことに気づかされました。

というのも、「てふてふ」とは「ちょうちょう」のことだということは、「いろは歌」などを学んだ時点で知っていましたが、それは「表記」のちがいであって「発音」の違いではない、すなわち昔は「てふてふ」と書いて「tyoutyou」と読んでいたとの理解を私はしていたのです。

そうなってくると俄然、昔の日本語での会話はかなり現代のものとは異なるまるで「外国語」のようなものだったのではないかという思いが、さらにその好奇心を強いものにしてくれたのです。

本書を読み始めてすぐに、私自身を含め多くの人々が共通して感じるであろうある「疑問」に非常に分かりやすく答えてくれている一節があります。

その疑問とは、「録音機もない古代の発音がどうしてわかるのか」というものです。

著者は以下のようにこの疑問に答えています。

「八世紀奈良時代に用いられた仮名(いわゆる万葉仮名)を資料にすれば、かなり正確な古代語音声の再建が可能である。万葉仮名は漢字の音読みのもとになった中国語音を参考にして、これと似た日本語音節に漢字を当てたものである。最初は、『能登(のと)・伊勢(いせ)』のような地名や『麻呂(まろ)・比売(ひめ)』のような人名から用いられ始めて、しだいに助詞・助動詞のような文法形式や用言語尾にも使われるようになった。この万葉仮名によって古代日本語の姿を再現できるのである。万葉仮名というのは通称で、正確には漢字本来の表意用法(日本語の文字としての『漢字』そのもの)である真名(まな)に対する仮名(かな)である。仮名には平仮名、片仮名もあるので、それらと区別して『万葉仮名』と呼んでいる。」

なるほど!と思いました。

と同時に、前回の「漢字の読みが日本語と中国語で異なる理由」の記事内で

「『漢字』は、もともと文字を持たなかった日本語が中国から輸入して日本語の体系の中に組み込んだということは誰もが知るところだと思いますので、その発音にも関連性はあるはずだと思われている方が多いのではないでしょうか。」

と書いたことを思い出し、関連性があるどころか日本語の変遷にはやはり「漢字」が欠かせない役割を果たしていたことに気づかされました。

ということで、次回以降何回かにわたって、私が個人的に興味深いと思ったトピックを取り上げていくことにします。

 

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