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2024年11月7日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前々回の「作家とお金」から前回の「作家の家・書斎の達人」という具合にいい感じに本と本のリレーによって積読からの救出がなされてきまして、今回は「」という本を救出して最終回としたいと思います。

他人の、しかもクリエイティブな職業の代表格である作家さんの「家」、「書斎」、「机」という非常にプライベートな領域を覗かせていただくなんてことはこれ以上ないエキサイティングな経験であるのですが、家→書斎→机とそのプライバシーのレベルは高まっていくわけで、最後の「机」に対する興奮は最大級のものでした。(笑)

そんな本書の中をどんな机を探しながら読み進めたかと言えば、「自分の机に近い」机、すなわち「常にある程度乱雑」な机です。

つまりは、言い訳探しです。(笑)

今までも誰か(ほとんどが女房ですが)に「机、かたずけなさいよ!」と売り言葉を浴びせられるたびに、「スティーブ・ジョブズの机はものすごく乱雑だった(らしい)」とか「中高時代の寮において勉強のできる奴で机がきれいだった奴はいなかった」といった買い言葉で返してきました。

ちなみに、こんな記事を「証拠」として提示しておきます。

そんな中で見つけた机が「20世紀少年」の作者で漫画家の浦沢直樹氏のこちらの机です。

もう、机の上の散らかりっぷりと後ろの本棚の詰め込みっぷりが本当に自分の机じゃないかと思うくらいにクリソツなんです。(笑)

これでもかというくらいに「言い訳」にぴったりな机でした。

そして、なぜこんなに散らかるのかについて浦沢氏は以下のように語られています。

「漫画の資料って捨てられないんですよ。例えば、漫画で80年代を書かなきゃいけない時のために、80年代に走っていた車とか、流行っていた腕時計が載っているカタログや雑誌を取っておく。いつ使うか分からないから捨てられないですね。今すぐに使わなくても何かのためにって買っておくし。買った時にパラパラとめくっておくと、なんとなく頭のファイルに入るので、どの本にどういう写真があったとかは覚えていますね。写真に関しては、ここに道があってこんな建物があって車が止まってる写真が、あの写真資料の中にあるよって、パーっと書いてアシスタントに渡すと、僕の描いた絵と写真がぴったりだってことがよくあるんです。それは職業病でもあるんじゃないかな。パッと見たときに覚えておこうって自然とやってるんですよ。」

つまり、ポイントは「自分の中にある秩序とルール」ということなのではないでしょうか。

この浦沢氏の「証言」に加え、上記で挙げた「証拠」の記事の中にも次のような言及がありました。

「ですが、その混沌さの中においても一定の秩序が存在していたようです。つまり、積み重なる書類や雑誌の山、さまざまな物が置かれながらも、ある種のルールがあり、その使用者のみが体感できる使い勝手の良さがあったのです。」

あまりにも私自身を甘やかす都合の良い言及ばかりを紹介してしまいましたが、それが認められるのはその人の「実績」とその乱雑さがセットであった時だけだということを合わせて心に刻みつつ、これからも「常にある程度乱雑」な机を維持していきたいと思います。

 

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