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父が娘に語る経済の話

2020年5月11日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

最近、テレビを見ている時にうちの三つ子たちから経済の仕組や用語について率直な質問をされることが多くなってきました。

この時、私は非常に神経を使います。

基礎的な知識がない子供たちに、経済の仕組という抽象的な概念を教えることは「説明する側」としての能力が非常に問われるからです。

よく、「簡単なことを難しく言うのは愚人、普通のことを普通に説明するのは凡人、難しいことを簡単に説明できる人は賢人」と言われますが、まさにこの言葉を意識して、子供たちに少しでも「賢人」と思われるようにしたいと思っているからです。(なかなか成功率は低いですが、、、)

このような悩みを持つのは私だけではないと思いますので、解決してくれる本をご紹介します。

ギリシャ危機の時のギリシャ財務大臣でその対処が世界的に話題となったヤニス・バルファキス氏の「父が娘に語る経済の話」です。

著者は本書の趣旨を「私たちの人生を支配している資本主義という怪物とうまく共存するために必要なことは何かについて分かりやすく語ること」と言っており、そのために本書の中で「資本」や「資本主義」という専門用語を使わなかったとも言っています。

その理由は、これらの言葉につきまとうイメージのせいで「経済」の本質が見えなくなってしまうからだと言うことですから、まさに私の「基礎的な知識がない子供たちに、経済の仕組という抽象的な概念を教えたい」というニーズに絶妙にマッチしていると思って読み始めました。

実際に、その期待を全く裏切らない本当に素晴らしい本でした。

経済の話を「資本」や「資本主義」という言葉を使わないでその本質を伝えるには、それらの言葉がまとめ上げている概念の根っこから分かりやすく説明することができなければできないので、極端にミッションのハードルが挙がってしまいます。

ですから、今までこのミッションの達成をほとんどの人が諦めてきたはずです。

しかし、本書は人類の経済と出会う前、そして出会いの瞬間、その後の市場経済というその絶頂までを一気通貫させるという離れ業を見事にやり切っています。

そして、もう一つ付け加えたいのは、本書が翻訳本なのにもかかわらず、これほど心に迫ってきて、尚且つ、読みにくさが全くない本は本当に珍しいと言うことです。

確かに、自分の娘に伝えるように「難しい話を簡単に伝える」著者の能力が卓越していると言うことは間違いないのですが、翻訳者の力によるところも同時に大きいと思いました。

完全に自分の言葉に変換され、違和感のまったくない素晴らしいものとなっています。

私は本書を読むことで、著者のヤニス・バルファキス氏という経済学者のファンになるのと同時に、関美和氏という翻訳者のファンにもなってしまいました。

最後に、人類の経済の関係を一言でまとめていると思われる一節だけを以下に引用して、あとは皆さんが本書を読まれることを期待します。(絶対に読んだ方がいいです!)

「仮に今の世界ではカネが人生のすべてであり最も大切なものになっているとしても、昔からそうだったわけではない。お金は目標をかなえることを助けてくれる大切なツールかもしれない。でも、いまと違って、昔はお金自体が目的になってはいなかったのだ。」

 

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