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男子が中高6年間でやっておきたいこと

2025年5月3日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私の母校は中高一貫の男子校である静岡聖光学院で現在は、本書「男子が中高6年間でやっておきたいこと」の著者である(横浜)聖光学院の校長 工藤誠一先生が校長を兼任されています。

本書は、聖光学院における中高の6年間でリベラルアーツ教育を通じて有名大学進学に偏らない非認知能力の育成を図って「紳士」を育成すべく活動されている著者の考えを明らかにするものです。

工藤先生は長年(横浜のほうの)聖光学院を校長として率いてこられ、つい最近になって静岡聖光学院の校長も兼務されることになりました。

ただ、横浜のほうは開成高校に次ぐ東大合格者数第二位の言わずと知れた超一流の進学校であるのに対して、わが静岡聖光学院は中学受験はあるものの、基本的な学力があれば入学を許されるような田舎のゆったりとした学校で、私が在学したころから、冒頭の「中高の6年間においてリベラルアーツ教育を通じて有名大学進学に偏らない非認知能力の育成を図って『紳士』を育成す」というまったく全くモットーを掲げていました。

ですから、当時から私たち静岡勢は負け惜しみのように「こっちは勉強だけやってるわけじゃないぞ」的な対抗心をもっていました。

しかしながら、本書を読むことで、あちらも同じようなモットーを掲げながら、結果としてあのような学力方面の結果も出されていたことを知り、正直驚くとともに複雑な気持ちにさせられました。(笑)

そんな偉大な業績を積み上げてこられた工藤校長の貴重なお言葉をいくつか本書より以下に要約・引用したいと思います。

「聖光学院では一時期、教員主導型の管理教育に陥って生徒の主体性を制限するような教育に偏った時代がありましたが、その時期の大学合格進学実績は今一つ振るいませんでした。私が校長となり生徒の主体性な学びを重視したリベラルアーツ教育に戻したところ、東京大学をはじめ難関大学への進学率が再び上がっていきました。そこに因果関係があるのかどうかはが在るのかどうかはわかりませんが、長年生徒とかかわってきた中で読書量の多い生徒や、音楽に造詣が深い生徒は、高校2,3年になると成績が伸びる印象があります。」

そういえば、横浜と静岡の聖光学院は制服は全く同じ(ネクタイだけが違っていたので、横浜方面からの寮生は横浜に帰った時に横浜の聖光生とすれ違うとかなり恥ずかしいと言っていました(笑))だったのですが、ブレザーのポケットが通常より大きい作りになっていて、それは文庫本を常に入れて持ち運べるようにデザインされているからと言われていたことを思い出しました。

「私は誰もが何かの使命をもって生まれていると考えています。人間の使命について哲学者の森信三氏による次のようなたとえ話があります。『神様は子供が生まれるときに一通の封書を手渡してくださる。その封書には自分の使命が書かれている。』それを開くのはいつになるのか誰にもわかりません。若いうちに開く人もいれば5,60歳になってからの人もいる。しかし、いつか必ずその封書を読む時が来る。そして、人は自然と『ああ、このことだったのか』と気づき、自分の使命を生き始めるのだと私は確信しています。教育の使命は子供たちが封書を開くきっかけを作ることです。」

このことについては、私も本当にその通りだと実体験を伴って感じています。その実体験については、すでに「K先生」についての記事で書いていますのでよろしければご参照ください。

「夫婦の価値観はぴったりでないほうがいいかもしれません。というのも、夫婦でぴったり同じ価値観ですと、子供としては少々息苦しいのです。そしてそれが子供に対して発揮されると大変なことに、、、たとえば学校に行きたくないときに、『学校に行くのは当たり前だろう、早く行きなさい。』などと両方から責められたらひとたまりもありません。別の考えを言う人がいないので、子供自身も家族の価値観を自動的に取り入れてしまい、絶対的な規範として内面化することにつながります。それを正しいと思い込み、視野を狭めてしまいます。かえって家族の意見が多少食い違うくらいのほうが、人には異なる考え方があるのだということを実地で学ぶことができます。」

これについては、うちの場合、完璧だと自負しております!子供のほうは多少混乱はするかもしれませんが。(笑)

本書を読んで、男子にとっての「中高6年間」の大切さを再確認するとともに、このようなモットーの学校でその大切な時間を過ごせたことに感謝でいっぱいになりました。

このブログで紹介する本を女房が読むことはほとんどないのですが、本書にだけは必ず読むように伝えたいと思います。

 

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