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異次元の金融緩和の無意味さ

2020年11月18日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

前回、野口悠紀雄教授の「経験なき経済危機」をご紹介したましたが、本書の中にコロナ危機とは関係なく今までずっと「おかしいな」と疑問に思っていたことに対する答えがズバリと書かれていたので、第二回目の今回はそちらをご紹介したいと思います。

それは、アベノミクスの第一の矢と言われた「異次元の金融緩和」についての疑問です。

まず、その定義ですが以下のようにまとめられます。

「ゼロ金利の下で大量の貨幣供給を行い、人々にインフレ(物価上昇)予想を形成し、景気を刺激する政策で、具体的には中央銀行である日本銀行が一般の銀行等から国債や手形を買うことで資金を供給し、市中に出回る資金の量を増やすことで金利を低下させることによって金融緩和とする手法。『お金の量を増やす』→『人々が物価上昇を予想する』→『高くなる前に欲しいモノを買おうと考える』→『消費も投資も刺激される』→『雇用が増える』ということである。」

そして、これのどこに対して疑問に思っていたかと言うと、経営者側からすれば借りたお金は返さなければいけないわけであって、何かしらの資金需要がなければどれだけ金利が安くなっても、それだけではお金を銀行から借りないだろうというところです。

私だけでなく、普通の感覚を持った経営者なら誰しもこのように考えるだろうと思います。

早速ですが、私のこの疑問に対する本書の見事な回答を以下に引用します。

「2013年4月に導入された異次元金融緩和では、日銀は国債を大量に購入してマネーを増やし、物価をあげようとして失敗した。それは市中銀行の日銀当座預金を増やしただけの結果に終わり、貸し出しを増やすことがなかった。また、16年1月にはマイナス金利を導入した。この目的も貸し出しを増やすことだった。しかし、実際には貸し出しはさして増えなかった。異次元金融緩和は、日銀当座預金を増やし、金融機関の採算を悪化させただけの結果に終わったのだ。こうなってしまったのは、マネーに対する需要がなかったからだ。マネーに対する需要がないにも関わらず国債を購入したりマイナス金利を導入したりしても、マネーを増加させることはできないのである。」

拍子抜けとしか言いようがないシンプルさです。(笑)

そして、私が感じた「普通の感覚を持った経営者なら誰しもこのように考えるだろう」というのは、その通りであったということになります。

ではなぜ、アベノミクスを考えた政府、財務省、そしてその政策に協力した日銀というその道のプロがこんな当たり前のミスを犯したのでしょうか。

次回は、アベノミクスそのものについて考えてみたいと思います。