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社長の選択

2025年5月14日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

私がランゲッジ・ヴィレッジを運営する大芳産業株式会社の社長に就任したのは2年前ですが、その一事業部としてのランゲッジ・ヴィレッジの代表としては今年で21年目となります。

その中でいろいろな経営課題にぶつかり、その都度その課題に取り組んで今まで会社をつぶさずに今日まで来ました。

とはいえ、一事業部の代表としての立場と会社全体の社長という立場ではその重みは全く別次元のものだともここのところ日々感じています。

今回ご紹介するのは、500社以上を経営危機から救った「倒産させない」税理士の異名を持つ松岡靖浩氏による「会社をつぶさない 社長の選択」です。

本書は、経営者が経営をするうえで遭遇するであろう数多くの選択の中で最も多かった53の「選択」をピックアップして、その選択をするための判断の基礎を解説したものです。

実際に読んでみると、私もなんだかんだで19年最終判断ではないにしろ事業を切り回すための判断をし、そして直近の2年間は文字通りの最終判断をする立場に身を置いてきて、「ああこんなことも、あんなことも」というように、本書で挙げられている「選択」のかなりの部分を経験してきたなというのが第一の感想ですが、それでも初見の「選択」もそこそこあったというのも事実です。

今回は、私にとって初見であった「選択」の一つについて要約引用したいと思います。

それはやはり中小企業の最終決裁権者では無ければ経験しづらい税務、特に税務署との折衝に場面における「選択」でした。

「ある会社の社長は資金繰りが悪くなったときの選択として銀行への返済を優先して、税金を滞納することにしました。その社長の言い分としては、『銀行はとにかく約定通り返済さえしていれば必ずまたお金を貸してくれる』の一点張りで、私がどれだけ『それは絶対に無理ですよ』と言っても、一切話を聞いてもらえませんでした。結局、差し押えになるギリギリの段階になって融資申し込みの相談をしに銀行に行ったら、門前払いをくらってしまい、とてもショックを受けた様子で私に資金締りの相談に来たのでした。銀行からの融資は信用保証協会を通てして借りるのが一般的です。信用保証協会も公的機関であり、その運営には税金が投入されています。国のルールに従わない人にお金を貸すことはありませんから、税金を満納している会社が融資を受けられる可能性はほとんどあり得ないのです。銀行の返済が滞るよりも圧倒的に税金の滞納のほうが融資の審査が厳しくなるのです。しかも、税金の滞納には年14.6%という目を疑うような高利の延滞利息がかかるだけでなく、その金利を費用として計上することさえできないのです。」

納税という国民の義務の履行は会社経営においてすべてに優先する最重要事項であることを学ぶことができました。

このように、社長歴まだ2年の若輩者としては、これからまだまだ経験しなければならないことはあるなと感じさせられ(いや、税金の滞納は絶対に経験しないよう努力しますが)、改めて気を引き締めて経営に当たらなければと認識を新たにしたところです。

本書は、このように経営という立場に身を置いた者が長い時間をかけて経験をすることになるいくつもの「選択」を一度にまとめて追体験することができるという非常に貴重な一冊です。

 

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