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経済あっての文化なのか

2021年2月15日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。

先日(2021年2月10日)、ウェブ上で、経済があってのはじめて文化が成立するのだということをまざまざ見せつけられた記事を見つけました。

それは何と、ニューヨークのメトロポリタン美術館がコロナによる財政難のため、コレクションの売却を検討しているとの衝撃的な記事でした。その一部を引用します。

「メトロポリタン美術館が、新型コロナウイルスの影響で1億5000万ドルの資金不足に直面する恐れがあるため、コレクションの一部の売却を検討していることがわかった。同館館長のマックス・ホラインは今回の決定について、『パンデミックがどのように展開するのか、私たちの誰も完全な見通しを持っていない。この霧のような状況のなかで、コレクション売却を考慮しないのは不適切であろう』とコメントしている。」

ただ、このような動きは一流美術館が取るべき本来の行動ではなく、あくまでもコロナによる危機的状況における限定的な行動であることもこの記事は次のように伝えています。

「アメリカ、カナダ、メキシコの美術館館長によって構成され、かつては所蔵作品を売却した美術館を制裁したこともあった『美術館長協会』(AAMD)は、2022年4月まで美術館が運営を維持するためにコレクションから作品を売却することを認める方針を示した。」

しかしながら、このような「限定的」な行動を一度でも取ってしまうとそれが慢性的な行動につながりかねない人間の弱さについて以下のように言及しています。

「同館のコレクション売却に対し、反対の声も出ている。同館の元館長であるトーマス・P・キャンベルは自身のインスタで、『私は誰よりもよく、あの巨大な美術館を運営することの複雑さを知っている』としながら、次のような懸念を表している。『危険なのは、運営費のための売却が標準になることだ。コレクションの売却は、依存者にとってはクラック・コカインのようなものであり、効果が強くて依存症になってしまう。』」

私が、冒頭にこのニュースが「衝撃的」だったと書いたことには明確な理由があります。

それは、私がアメリカ留学をしたときに思い知らされた、アメリカの文化に対する意識の高さ、そしてそれを守るために投入するお金の豊富さでした。

これはのちにフランスで語学留学した際もより一層感じたことなので、アメリカに限定されることではなく、「欧米」のと言うべきかもしれませんが、彼らの文化に対する接し方は、とても日本は足元にも及ばないことを思い知らされ、かつてこちらの記事にも書きました。

そのアメリカにおいて、一時的とはいえど「背に腹は代えられない」事態に追い込まれているのを見ると、なんとも寂しい気持ちにさせられてしまいました。

 

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