
自分のことは話すな
2023年2月14日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
「英語教育」という実際に手で触ることができない商材を扱っている関係上、人に自分のメッセージを伝えることというのは決して外せないスキルだと思って常日頃から研鑽の必要性を感じています。
その研鑽のために講演上手な方のお話を直に聞くこともありますし、「話し方」に関する書籍を読むこともそれなりにあります。
そんな「話し方」に関する一冊をご紹介します。タイトルは「自分のことは話すな」です。
冒頭でも述べたように、私は「英語教育」特に「国内留学」という今までにないサービスを提供する者であり、なおかつそのサービスの成り立ちには私自身の「経験」が大きく関係しているので、個人・法人を問わず営業先では「自分のこと」を話すのは必至だと考えています。
そこへ「自分のことは話すな」ですから、非常に大きな「反発心」と、自らの「話し方」を振り返っての少しばかりの「反省」の入り混じった何とも言えない感情をもって読み始めました。
実際に読んでみると、「自分のことは話すな」というのはタイトルとしてキャッチーなワードを選択したわけであって、それ自体が完全にNGであると主張されているわけではありませんでした。
著者がNGであると本書の中で主張されているのは、「無意味な話(雑談)」、もっと言えば相手から求められていない話です。
「自分のこと」というのは場合によっては「無意味な話」にあたるという意味で、本タイトルはそれを切り取ったものだと考えられます。
そのことがよく分かる部分を以下に引用します。
「相手が求めていないのにためらいもなく自分の信念の話をしてしまう感覚は重要な場面で舵をとるとか責任ある事案を冷静に遂行することができる人が持つ感覚とは真逆です。また、それは、自分の時間も相手の時間も十分に活用しきれない『時間の価値』を理解できていない人間だという証拠となります。」
つまりは、会話の中で相手が何を求めているのかを察することができるかについて常に危機感や緊張感を持てるかどうかということが何よりも重要だということです。
その意味でいうと、世間一般に言われる「プライベートなこと(政治・信仰・病気などを含む)は聞くべきではない」という考えにも著者は次のような一石を投じています。
「仕事において『聞くべきこと』はたいてい、どれをとってもプライベートな質問に属します。そのため相手のことを知りたいと思って聞くわけですから失礼なことではありません。むしろ堂々と礼儀正しく聞けばよいのです。相手のニーズを常に頭に入れて話をすれば、相手から求められていない話を回避することができます。あなたの質問が目の前の相手の利益につながる自信があれば堂々と聞くべきです。」
確かに、もしその際に「失礼だ」ととらえられてしまうようなら、それはその相手との信頼関係が築けていないということであり、著者の言葉を借りれば、「相手の大切なことを知りたいのに、聞き手が全く汗をかかないような雑談をしていていいわけがない。」ということに尽きるのだと思います。
最初から相手との信頼関係を築くのだという覚悟を持たずにするビジネスなど最初からすべきではないという著者の信念が伝わってきました。
本書は「話し方」に関する本という体をとりながら、実は「ビジネスの覚悟」に関する本だと受け取りました。
今一度、自分自身の営業姿勢を見直してみようと思います。