
グローバルでは英語が通じる度合いは36%と心得よ
2025年7月11日 CATEGORY - 代表ブログ

皆さん、こんにちは。
前回に引き続いて「海外で結果を出す人は異文化を言い訳にしない」に関連したテーマで書きたいと思います。
今回は、「英語でのコミュニケーション能力」という前回と比べて狭いテーマとなります。
グローバルビジネスの世界において「英語でのコミュニケーション能力」というのは、そのために必要なビジネススキルと並び、海外で結果を出すというミッションを遂行するための基礎中の基礎の部分にすぎないということは本書の主題として確認済みではありますが、それでも「英語は世界共通語」であるということは疑いの余地はありません。
それなのにもかかわらず、この記事のタイトルを「英語が通じる度合いは36%」としたのには別の意図があります。
その意図とは、一般的なグローバルビジネスにおける「英語」の存在を、他のビジネススキルと同列に基礎中の基礎の部分に過ぎないとしているだけではなく、その有用性をもう一段階低く見積もる必要があるという著者の見方をお伝えすることにあります。
その部分を以下に要約引用します。
「今では世界中どこへ行ってもビジネスパーソンは英語を使いこなすのが常識になっている。そこで英語がいくらか得意な人でも英語で話す場合、母語で話す場合に比べてどれくらいその内容は伝わるのだろう?私の肌感覚では、本当に言いたいことの6割くらいが伝わればよいほうだと思う。聞き手も同様に英語が第一言語でなければ、母語で聞くより理解力が落ちるのは当然で、言われたことの6割を理解できれば良いほうかもしれない。ということは、語るほうが60%、聞く方が60%なので、伝えたいことの、せいぜい36%くらいしか伝わらないと認識しておいた方がいい。こうした状況では十分な意思疎通を図ることは極めて困難だろう。しかし、まずはこの前提に立つことが重要だ。」
この見方に私も完全に同意します。
また、このことの危うさを著者は次のように自己反省を含めて指摘されています。
「では、どう対処したらいいのか?単純計算するなら100%伝えたいのならば3倍の努力が必要になる。しかし、実際の仕事ではどうだろうか?多くの日本人駐在員の様子を見ているとそこまで伝えきる努力をしている人はあまり多くなさそうだ。むしろ、日本人相手よりも現地の人と話す時間が短くなっていないだろうか?かく言う私自身も耳の痛いところがあって、複雑な内容ほど説明の難易度も上がってしまうため、『まあそこまで言わなくてもいいかな』と、しっかり説明しきらずに流してしまうこともある。日本語の場合であれば、『複雑だからこそ、念には念を入れて話そう』というきになるのだが、、、。まずは、コミュニケーションの質を上げることよりも量を増やすことなのだ。いくら言っても言いすぎることはない。むしろ言い過ぎではないかと思うくらいがちょうどいいだろう。」
なるほど。
だからこそ、前回見たような言語以外のビジネススキルを当たり前のように駆使する必要があるということでもあります。
つまり、「異文化を言い訳にする」という姿勢には、この66%の言語的不十分さも確実に含まれているということになりましょう。
いやはや、グローバルビジネスの現場に臨む際には、私たちは私たちが思っているよりもずっと「謙虚」な姿勢が必要だということを本書を読み進めるにしたがって思い知らされます。









