
「規則動詞」と「不規則動詞」はどうできた?
2025年6月8日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
引き続き「日本語の大疑問2」からテーマをいただきますが、第五回目のテーマは「英語の規則動詞と不規則動詞の成り立ち」についてです。
日本語に関する本書から、突然に英語の「規則動詞」と「不規則動詞」の話になって「?」と思われるかもしれませんが、これは個々の言語に限らない「言語の普遍的特性」についてのお話です。
その「言語の普遍的特性」とは「使われない単語の特徴は次第に失われていく」というものです。
以下に該当部分を引用します。
「言葉の一般的な特徴として、あまり使われない単語はその単語が持っている独自の(珍しい)特徴を失って、よく使われる単語の(よくある)特徴を持つように変化するということがあります。例えば、英語の動詞は、よく使われる一部の動詞がもともとの特徴を保って不規則動詞として残り、それ以外のあまり使われない多くの単語は特徴を失って、共通の語尾変化を示す規則動詞に変化したと言われています。」
そう言われれば、不規則動詞は日常的に使われる生活に密着した(ゲルマン語由来の)基本動詞に多いですね。
go(went)/ take(took)/ keep(kept)/eat(ate)/ sleep(slept)・・・・・
一方で、フランス語などから入ってきたちょっと高尚な動詞はほとんど規則動詞です。
delight(delighted)/regret(regreted)/depress(depressed)/devastate(devastated)/comunicate(comunicated)・・・・
なるほど、よく分かりました。
かつて不規則動詞の存在を初めて知った時、英語の理不尽さを呪ったことを今でも鮮明に覚えています。(笑)
ですが、これらが頻繁に使用する動詞だからこそ、不規則でもなんとかなたわけで、逆にこれがそれ程頻繁に使わない動詞が不規則だったら、もう完全にお手上げだったはずです。
ちなみに日本語における事例としては以下のようなものが挙げられていました。
「これは文法だけでなく発音などにもみられます。日本語の名詞アクセントの中で、例えば畑を耕す『鍬』や穀物の『稗』は本来『クワ』や『ヒエ』のように二番目が高いのですが、最近では『クワ』『ヒエ』のように一番目を高く発音する人が増えています。これらの名詞は最近の日常生活ではあまり使う機会がないため、元々単語が持っている『二番目が高い』という特徴に変わっていると言われています。」
こうやって見てみると、この言語の特性が「普遍的」であることがよく分かります。