
「踊り字」は何と読むのか
2025年6月8日 CATEGORY - 代表ブログ
皆さん、こんにちは。
引き続き「日本語の大疑問2」からテーマをいただきますが、第四回目のテーマは「踊り字の読み方」についてです。
お恥ずかしながら、「ゝ・ゞ・ヽ・ヾ・々・〻・〱・〲・〃・ 仝」など同じ文字を繰り返すときに使うこれらのことを「踊り字」と呼ぶこと自体を今回本書を読んで初めて知りました。
前回の「括弧」についても改めて学んだことがなかったわけですが、それとは別次元でこの「踊り字」についての知識は全くと言っていいほど持ち合わせていなかったことに日本人としてとても恥ずかしい気持ちになりました。
では以下に「踊り字」についての知識をまとめます。
①一ツ点(ひとつてん)
仮名一字の繰り返しに用います。「こゝろ」のように平仮名の繰り返しには「ゝ」、「学問のスヽメ」のように片仮名の場合には「ヽ」が普通です。濁点で繰り返す場合は、「たゞ」「トヾ」のように「ゞ」「ヾ」となります。
➁同の字点(どうのじてん)
「先々」「正々堂々」のように、漢字一字を繰り返す際に用います。現在、横書きでもよく使われます。「ノマ」と呼ぶこともありますが、形を分解した呼び名です。
③二の字点(にのじてん)
「愈〻(いよいよ)」「益〻(ますます)」のように、あるきまった語において、漢字一字の繰り返しに用いられることがありますが、主として縦書きの場合です。繰り返しを意味する「二」を崩した形であるので、この呼び名があります。最近では「愈々」「益々」と➁同の字点を使って書くことも一般的です。
④〱の字点(くのじてん)
「(縦に)よく〱」「(縦に)知らず〱」など、二字以上の繰り返しに用います。濁音にして繰り返す場合は、「(縦に)くれ〲も」のように書きます。これも形に着目した呼び名です。
⑤ノノ点(ののてん)
図表や箇条書き風の文章の中で、「上(右)に同じ」という意味で、例えば、春季募集 3月31日締め切り 秋季〃 3月〃 というように使われます。
⑥仝(どう)
「仝」は「ノノ点」と同じように使われます。ただ、「仝」は「同」の異体字で「ドウ」という読みを持つ漢字の一種です。
つまり、「踊り字」といってもほとんどが「字」ではなく「符合」であり、文字は「仝」のみということになります。